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【初出版『最強の法則』100plus】 vol.105:著者と編集者、出版社との相性

今回から皆さんに寄せられた「素朴な疑問」や「初出版あるある」を検証していく内容にしていきます。

よく聞かれるのが、
「著者と出版社、あるいは編集者との相性の良い・悪いはあるんですか?」という点です。
この場合の相性とは大きく2つの意味があるでしょう。

①人間的な相性
②売上げや分野による相性

それぞれ、検証していきましょう。

①人間的な相性

著者も編集者も人間ですから、お互いに相性の合う・合わないはあります。
会ってすぐ意気投合する、逆に何回顔を合わせてもギクシャクしてしまうということは私も経験しています。

これも人間的に性格が合わないという場合と、仕事のやり方が合わないなど様々なケースがあるでしょう。
とはいえ、お互いにビジネスです。
「この人とは合わないな」と思っても、お互いに仕事として、著作の完成まで行く場合がほとんどです。

あるベテラン編集者が言っていました。
「この著者とは相性が合わないなと思いながら、ようやく発売までもっていくというケースがたまにありますが、そういう作品が売れたりするんですよね(笑)」
編集者もプロですから、プロの仕事をやりきるということです。

ケンカ寸前までいって決裂しそうになったが、お互いに歩み寄り、いい作品ができたというケースもよく聞きます。
出版が恋愛や結婚に例えられるのも理解できる話です。

小説の大作家が「担当編集を替えてくれ」と出版社の上長にこっそり依頼したなどというヶケースもたまに聞きます。
そういう私も、ある有名作家から「担当を替えてくれ」と言われ、考え抜いた結果、替えたことがあります

このケースは、前の担当者の人間性というよりも編集者の実力不足が原因でしたが、前も担当者も納得してくれました。
結果的には作品が売れたので、ホッと胸をなでおろしたものです。

このように、同じ出版社内でも担当編集が替わって、ヒット作が生まれるというケースもあります。
また、著者の新しい面を引き出すために担当編集を替えるというケースもあります。
担当編集が替わっても、「俺、嫌われているのかな?」と思うことはありません。
思う存分、新しい担当と新しい著作を出していくことが大事だと思います。

逆に著者と編集者にお互いに深い信頼感が生まれ、「私の担当はこの人じゃなきゃダメ」とばかりに、会社を移籍してもその担当編集とタッグを組むケースも珍しくありません
コンビでヒット作を連続で出していく。
幸せなケースですよね。

もちろん、出版社の編集長や上長も、編集者の人間性、得意分野、スキルを加味して、担当は慎重に決めています。
しかし、相性までは実際に仕事をやってみるまではわからないというのが結論です。

②売上げや分野による相性

以前、出版社選びを解説した際に、各出版社も得意分野・不得意分野があるというお話をしました。
会社規模が大きい出版社だから必ずしも売れるとは限りません。
規模は多少小さくても、得意分野では実績がずば抜けている出版社は数多くあります。
ビジネス書ならA社、自己啓発ならB社、C社はコミックなど、各社得意分野や会社のカラーがあります

たとえば、コミックが得意な出版社でもビジネス書を担当する部門があるケースは多いですが、会社の中での実績はビジネス書部門はイマイチというケースもあります。

ですので、著者としては、類書を分析して、自分の分野が得意な出版社かどうか、実績があるかどうかを見極める必要があるでしょう。

もちろん、いまは実績がなくても新規部門に力を入れてい場合もあります。
あなたの著作が、その先鋒として期待されているのかもしれません。
見極めが難しいところですが、その場合は編集者を信頼して全力で取り組んでいくのが著者としての役目でしょう。

いずれにしても、自分の著作の分野で売れている類書を徹底的に研究して、その分野で実績のある出版社を見極めていく作業が必要です。
Amazonやその出版社の公式サイトで、売れている本をチェックすることも目安になります。

次回は、出版社の編集と販売営業の関係性を見ていきます。
ではでは!

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