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「その本買ってあげなよ」という余計なお世話

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

誕生日や年末年始は、親戚の子どもたちのプレゼントに絵本を見繕う。チビッ子達の隣で、真剣な表情で絵本を選ぶおじさん也。

さて、絵本コーナーには当然親子が多いわけで、時折親御さんが「好きな本持ってきて良いよ」という会話が聞こえる。

ある日のこと、そんな会話があった後、とある子が持ってきたのが昆虫(主にキャタピラー系)の図鑑だった。

多分だけど、お母さんが昆虫好きではないのだろう。その子のお母さんが「その本だけはやめて!」って話してたのが聞こえた。

そんな一幕を見てしまうと、余計なお世話かもしれないが「でもその子が選んだ本だから、買ってあげなよ」って思ってしまう。

結構こういうことって、わりとよくあること。親御さんは「好きなもの選んできな」と言うわりに、いざとなったら「こっちの方が良いんじゃない?」と違うものを勧める。

本かコラムだったか忘れてしまったが、子どもの方も選択肢が多すぎて、急に「好きなもの」と言われても困っちゃう、というのを読んだことはある。

だからこそ、「何でよりによってその本を選んだのか?」と思わなくもない。お菓子とかガチャガチャのコーナーでも見受けられる。

親御さんにしてみれば、どうせお金を払って買うならば、長く読めて、飽きが来なくて、なるべく良い本を選びたいのが心情だろう。

でもその本は、あくまでも親にとって良いと思われる本であり、その子にとって良い本かは別の話である。

大抵次のセリフは、「もっとちゃんと見て決めたの?」だが、本屋さんで急に好きな本選んでと言われたら、大人でも時間は掛かる。

それで最終的に、その子が好きそうな本を2冊くらい選んで、どっちが良いかを決めさせる。

浮かない顔で、じゃあこっちにすると言えば、「本当にこっちで良いんだね」と念押しする。本当に欲しい本は、最初から決めていたにも関わらず。

本の影響力は強い。たかが子どもの本だとしても、その書店での記憶は引き継がれるし、今後の読書にも影響を与える。

だからこそ、「でもその子が選んだんだから、買ってあげなよ」って思ってしまう。

さっきの子の話で言うならば、もしかしたらここで読んだ昆虫図鑑がきっかけに、将来その道に進むかもしれない。

その子が潜在的に欲しいと思った本、読みたいと思った本ならば、それを大切にしてあげれば良いではないかって。

でもそういう考えは、あくまでも他人事だからなんだろうな。プレゼントとして他所の子に本を選ぶのとは、訳が違う。何だかんだ言って、本は安くはないからね。

でも本くらいは、その子が選んだものをって思いたい。その本が、その子の将来を左右するかもしれないのだから。

本当、余計なお世話だよな。それではまた次回!

※ 全然関係ない話だが、神保町は三省堂で絵本の包装をお願いしたときに、書店員さんが心持ち笑顔だったのが、「絵本をプレゼントするんですね」が伝わって嬉しかった。

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