読書記録「少女終末旅行」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだ(紹介したい)のは、つくみずさんの「少女終末旅行」全6巻 新潮社です!
・あらすじ
今から1年以上前のことである。漫画好きの友達から「是非読んでくれんか」と言われ、古本屋で探してもなかなか見つからず(人気だから手放す人もおらんとのこと)。
なんとか5巻までは古本屋で巡りあったものの、「ウスズミの果て」第2巻を買うタイミングで寄ったアニメイトにて、最終巻だけは新刊で買うしかないと決断したり。
そんなわけで全6巻なのにも関わらず、1巻を読み始めてから最終巻までに、かれこれ1年以上掛かってしまった。
以前読んだ岩宗治生さんの「ウスズミの果て」も、同じく人類滅亡後の世界を生きる少女の物語である。
だがこの主人公は「永遠の子」として生み出された不老不死の存在。自ら最期を決められない運命を背負っている点で異なる。
一方でチトとユーリは普通の女の子。愛車のケッテンクラートで「上」を目指して、文明が崩壊した世界を旅していく。
読み終えて思ったこと。稚拙な感想だけれども、本当に生きるって素晴らしいな。
数少ない生存者に出会い、「びう」と呼ばれるシュワシュワした飲み物を飲む。配管のお湯に浸かり、読めない本を集め、時には謎の生命体(CV 花澤香菜)に出会うことも。
こんなディストピアのような世界でも、楽しもうと思えば楽しめる。いや、こんな世界だからこそ、当たり前のことに幸せを見出だせるのかもしれない。
しかし、何事にも終わりはやってくる。旅行には最終目的地があるのだ。
2人の少女が旅の果てで見つけたもの。この光景は、少女たちが望んでいたものであったかは、分からない。
生き残るために「上」を目指してきたはずだった。だけど多分もう、後戻りができない場所まで来てしまった。
他の道に進むという選択肢もあったかもしれない。それこそ危険のない食糧庫で暮らすことだってできたかもしれない。
生きとし生けるもの、最期は安息の地に向かって旅をしている。だとしたら、何のために旅を続けるのか、迷うことだってある。
それでも、彼女たちは旅を続けた。彼女たちの心がそう言っていたのだから。
人間は、多かれ少なかれ、なにかを為さずにはいられない生き物である。
人の役に立つものを作るだとか、次の世代に遺る仕事をするだとか。
文章を書くこともそう。たとえ消えると分かっていても、書かずにはいられない。
誰かに求められたわけではない。自らの心がそう言っているのだ。
とにかく、旅の終わりをしっかりと見届けることができて、満足している。
結末で泣くとは思わなかったけれども、旅の果てにチトとユーリが見た世界を思うと、心を揺さぶられてしまった。
こんな二人のように、最後は生きてよかったと言えるといいな。それではまた次回!
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