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そりゃはじめての人生だもの

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

ライターとして働いて早5ヶ月以上経った。最近は会社の方針で新規記事の作成から離れているが、相変わらず楽しく働いている。

楽しく働けているのも、それもこれも、紆余曲折あって今の仕事に就いたことが大きい。

去年の4月に工場勤務から営業職に転身。自分の力で稼ぐ人間になろうという挑戦であったが、入社2ヶ月あまりで早々に諦めた。

当時、自分の周りの人々が、お金を稼げるようになっているのが羨ましかった。

転職して年収が上がった、仕事を自ら取って稼いだとか聞くと、比べる必要もないのに周りと比べ、自分も頑張らなきゃと無理していた。

そりゃ私だって資本主義は理解している。大人になってから、自由になるためにはある程度のお金は必要なんだなと実感するし、そもそも生きるため、食うために働かなければならないとふつふつと感じる。

父さんからは相変わらず安定した仕事に就けと、というか、安定した雇用形態になれと言われる(もっとも今の御時世、安定した仕事や雇用形態自体よく分からないけれども)。

無職になって、日雇いバイトで食いついないで、上司から川口君には別に期待していないと言われ、ようやくたどり着いたライターの仕事。

私の今までの(短い)人生の中では、最もドン底であり、そして思い返してみれば、その時期があったからこそ、今があるだなとも、やはり思わずにはいられない。

最近、キム・スヒョンの「私は私のままで生きることにした」ワニブックス (2019) を読み終えた。ここ数日、思うところがあって紐解いた次第。

生きていれば、おかしなことも起こりうる、
人生にはこれくらいの無駄はどうしても必要だ、
人生は常に効率的なんてことはありえない、
初めての人生だから自分にはちょっと難しかった、と思おう。

同著 265頁より抜粋

時折、あのままリサイクル工場の現場作業員として働き続けたら、どうなっただろうかと考えることがある。

おそらく、今も現場でフォークリフトを乗り回しているだろう。収入は昇給で上がっているだろうが、父さんからは一体いつになったら本社勤務になるんだと愚痴を聞かされることだろう。

そう思うと、おそらく今の状況とそんなに変わらない。むしろ、今のほうが自分の好きなことで働けている。多分、本社勤務になってたら、挑戦のない人生で終わったかもしれない。

20代後半の若造が分かったような口を、と思うかもしれないけれども。

自分を見失って、馬鹿げたことをやって、傷ついて、今があるのだと思うと、その時間は決して無駄ではなかった。

そうして見つけた道は、自分の力で稼いでいかねばならないという、この世のルールからは逸れるけれども。

将来について不安を感じる事はあるけれども、自分で選んだ道だから、不満はない。

「1年を無駄にしちゃったかな?」
「大丈夫。もう1年余計に生きればいい」

同著 266頁より抜粋

まぁ私自身、はじめての人生なんだから、大目に見てほしい。それではまた次回!

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