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本は凶器

川口市出身の自称読書家 川口竜也です。

いつの頃だったか、新聞のコラムか何かで、歌人 道浦母都子さんの短歌が掲載されてたのを覚えている。

本は凶器 本本本本本本本本本本本 本の雪崩

現代短歌文庫145『続 道浦母都子歌集』砂小屋書房より

これを見た当時は、その歌に込められた思いなどつゆ知らず、不思議な歌だな程度に覚えていた。

調べたら、1995年の阪神淡路大震災の体験から詠まれた歌らしい。

3月11日 東日本大震災からもう12年経った。

12年前はまだ中学生。その日は卒業式の予行練習だったため、午前中に学校が終わった。

14時46分頃 部屋のベッドでくつろいでいたら、ズズズズッと音がなる。地震だと思った頃には、ドドドドッに音が変わった。

母さんの叫び声が聞こえた。市の防災サイレンが鳴り響いた。私は勉強机の下で、膝を曲げてじっと堪えた。

テレビをつけたら、北陸が震源だと報道していた。逃げ惑う犬が映っていた。後ろから、津波が押し寄せていた。

幸いにも、自宅近辺の地盤が硬いらしく、物が倒れたりすることはなかった。だが幼馴染の家では、本棚が倒れたと連絡があった。

記憶というものは徐々に失われていく。12年経っても覚えていることはあれど、思い出さねば、彼方へ消えてしまう。

とはいえ、私にできることなど少ない。ただ、その教訓を忘れないように過ごそう。それではまた次回。

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