読書記録「勝手にふるえてろ」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、綿矢りささんの「勝手にふるえてろ」文藝春秋 (2010) です!
・あらすじ
私には彼氏が二人いる。中学二年生の頃から好きだった”イチ”と、同じ会社の同僚で営業マンの”ニ”。でも私はイチと結婚したい。ニなんていらない。
経理部で働く私は、社会に出ても昔好きだったイチのことを忘れないでいる。同じクラスで視野見していたイチ、体育祭で会話したイチ。この歳になって貞操を守っているのも、イチのためだ。
ある日営業部が主催した交流会に呼ばれたとき、ニから一方的に好意を寄せられる。なんでも、経費精算のことで一度叱られたとき、胸に赤いふせんが付きっぱなしだったのが気になっていたと。
その後も二人で会ったりもしたが、私はニのことが好きにはなれない。だってイチと全然違うし、私の趣味を全然理解してくれないし。自分のことしか話したがらないし。
というか、イチ以外の人と結婚するなんて、できない。もしイチ以外と結婚するようなことになれば、その後の結婚生活は全てどうでもよくなる。
だったらダメ元でも、もう一度イチに会いたい。中学時代のクラスメイトを装って同窓会を開くと、そこに大人の顔になったイチがいた。大人になっても、やっぱり私はイチが好きだと悟る。だけど……。
読書会にて「言葉の響きが良くて大好きな1冊です」と紹介されたのをきっかけに、かねてから気になっていた本著を紐解いた次第。
お恥ずかしながら、恋愛経験に乏しい(むしろ皆無)な私にとって、恋愛というものを片思いというものでしか捉えたことがない。その上、異性からの気になる視線なるものを受けたこともない。
まさに主人公と同じような学生生活を送っていた(句読点がないのもわかり味が深い)。
だからというか、もはや思考回路が非モテなのだが、ちょっと優しくされると好きになってしまうし、ふとした出来事をやたらと覚えている(今すぐ記憶から消したいものも含めて)。
推しへの一方的な愛というか、恋愛感情に双方向性がなかった。誰かから好意の寄せられているなんて、考えたこともなかったし、今でも正直考えられない。
でもその根源ってのは、結局相手からの好意を、うまく受け止めることができないことにあるのかも。
私の場合、独り身でいる時間が長すぎて、好意の受け取り方がよく分からない。勘違いするなとブレーキをかけ、勝手にふるえている。
自分で選んだことだからと言ってはみるものの、やはりどこか寂しい。
傍から見たら、恋愛に臆病になっていると言っても過言ではない。いやまぁ臆病であることは分かっているのですよ。うん。
なんか学生時代の恥ずかしい記憶を掘り起こすような読書記録になってしまった。そうね、これをバネに頑張ろう(何を?)。それではまた次回!
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