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見応えあり、世田谷美術館「民藝 MINGEI」展

世田谷美術館で開かれている企画展「民藝 MINGEI」を見てきました。

奥の屏風が良かった。四国などに多い茶道具文様の蒲団地を、屏風にしたものらしいです。

身の回りにこんな家具や食器、置き物や服があればいいなあと想像しながら見るのが楽しい。実際には、まず家を片付けましょう、というのが現実だけど。

一部エリア以外は撮影禁止だったので、いろいろ目に焼き付けてきました。紅型(びんがた)と呼ばれる沖縄の模様染の着物がかわいかった。青地に花や蝶の模様があしらわれている。沖縄なのに雪輪のデザインも入っている。本土のデザインの影響を受けたそうです。素材が木綿なので夏でも快適そう。
青森の蓑も良かった。夫が妻のために作ったという外出着だそうです。すがもという海藻を素材に使い、ナチュラルな黒っぽい色で全体のシルエットもすらっとしている。襟元には見事な細工で市松などの模様を入れています。悪天候のときに着るものだと思うのですが、かなり見た目を意識して作っている。これを着て雪の中を歩く姿は、さぞ格好良かったことと思います。

それと見応えがあったのは「民藝の産地」というコーナー。国内5カ所の民藝品の産地を取り上げ、現代の作り手がどのように技術を継承しているかを紹介していました。作品の現物だけでなく、作り手のインタビュー映像も流しているので、たいへん理解が深まります。例えば岩手県の「鳥越竹細工」は、材料の「すず竹」が採れなくなるという苦境にあるそうです。他に小鹿田焼、丹波布、八尾和紙、倉敷ガラスの産地を取り上げていました。

こんどの日曜日(2024年6月30日)で終わってしまうので、民藝とか手仕事の好きな方はお急ぎを。今後、富山、名古屋、福岡でも巡回展示するそうですよ。


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