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行政は“提供”から“支援”に、市民は“要求”から“提供”に。

2013年から川崎市で「こすぎの大学」や「川崎モラル」の活動を企画運営することで川崎市を好きになり、そして、誇りを抱くようになりました。そのような中、2018年に川崎市が掲げた「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」。説明会に参加し、川崎市が本気で変革しようとする姿に感銘を受けました。

全市シンポジウム「希望のシナリオ~これからの地域づくりを考える~」

2018年12月に開催された川崎市市民文化局さんが主催する全市シンポジウム「希望のシナリオ~これからの地域づくりを考える~」に参加しました。

夏に川崎市7区で開催したワークショップの結果などを踏まえて策定中の「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」を紹介。新しいカタチでのパブリックコメントの集め方。

シンポジウムには夏のワークショップに参加した川崎市7区の方々が100名近く集まり、熱気に溢れる場でした。川崎市長の福田紀彦さんが検討結果に加えてプロセスやマインドも丁寧に紹介。コミュニティ主催者たちというクラスタはありつつも、市民の声と行政の意思がクロスオーバーした場となりました。


行政は「提供から支援に」、市民は「要求から提供に」

今後、人口減少が予測される中、従来と同様の仕組みでの公的サービスの提供が困難という健全な危機感に基づいた実態も説明。従来のような箱物行政と称される、ハードウェアの提供には限界があり、転換を図るとのこと。その一つが「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」であり、転換することで希望のシナリオの実現が可能になるとのこと。

寛容と互助によって市民創発型のコミュニティ形成を目指すという川崎市の考え。従来の行政にありがちな提供ではなく、「支援」というスタンスで関与していくとの意思表明。行政が本気で変革しようとしているのだから、僕たち市民も一緒に変革する必要があるんだと感じました。市民も従来のように行政に要求するだけでなく、自分たちの知見や施設などを可能な範囲で「提供」していく。

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市民のマインド変革に向けて大切な寛容と互助

行政は“提供”から“支援”に、市民は“要求”から“提供”に。これを実現するには行政以上に変革が必要なのは市民側だと感じました。

シンポジウムではコミュニティ参加に関するアンケート結果も紹介されました。コミュニティに参加している人、参加したい気持ちはあるけど参加していない人、無関心な人、それぞれが1/3ずつに分布しているとのこと。

「こすぎの大学」を始めるまでの僕自身も、一度、コミュニティに入ると抜け出せないという不安があり、「参加したい気持ちはあるけど参加していない人」でした。

シンポジウムの参加者は地域課題の解決に向けてNPOなどでコミュニティ活動を牽引されている方が多く、言葉は不適切かもしれないですが、自分の活動(だけ)が正しいと思い込んでいて熱量が高い人ばかり。その熱量がコミュニティ参加予備軍にとっては大きな障壁になっているのも事実。自分の考えを伝えるエネルギーを、相手を受容するエネルギーに転換できれば、きっと、コミュニティに参加する方々も増えるはず。だからこそ、川崎市が掲げる「寛容と互助」が大切なんだと共感しました。


これからのコミュニティ「まちのひろば」づくりに向けて

シンポジウムを経て、川崎市の各所でこれからのコミュニティである「まちのひろば」に向けた試行がされ始めました。

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2018年度から担当する「NEC未来創造会議」。AIが人の能力を超えると言われるシンギュラリティ後の2050年に“人が生きる、豊かに生きる”社会像を探求しています。国内外の有識者による議論を裏方として支える「未来創造プロジェクト」。“会議”に加えて“未来創造”にも取り組み始めた未来創造プロジェクトの最初の一歩が川崎市「まちのひろばプロジェクト」との共創イベントでした。未来創造プロジェクト同様にまちのひろばプロジェクトも庁内横断型の職員プロジェクト。

川崎市とNECの横断型プロジェクト同士のシナジーによって、NEC玉川事業場の公開空地を「まちのひろば」にした各種活動がスタートするなど、市民(企業)としても「要求から提供に」を具体化することができました。この話の詳細は、また今度。


最後に

SDGsで語られる「誰一人取り残さない社会」は、NEC未来創造会議やこすぎの大学を通じて自分なりの解釈として「誰もが未来社会に関与できること」という見解に至っています。

誰もが未来社会に関与できること、つまり、コモニング(合意形成)に基づくコクリエーション(共創)ということ。そんな未来社会を探求・創造し続けていくようにします。


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