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「組織ファシリテーション概論」をふりかえるダイアログの場のつくり方

2020年5月2日に開催された公開セミナー「組織ファシリテーション概論 - 創造性のメカニズムを科学する」は700人超という参加者となりましたが、その参加者の期待に応える濃密な時間でした。
その盛況ぶりはtogetterでのまとめからもうかがい知ることができるかと思われます。

この時にWDAメンバー向けには、後からふりかえりができるように気づきや問いをメモするMuralを用意したのですが、その周知が当日直前になってしまったので、もう少し早いタイミングで共有しておけばよかったなと思いました。
(WDAはミミクリデザインが運営するオンラインプログラム「WORKSHOP DESIGN ACADEMIA」の略称です)

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ふりかえりの場をつくるきっかけ

この1時間半の時間はとても濃密で、一人で消化しきれるものでもなく、誰かと話したかったのですが、当日はその機会が得られずにWDAメンバーと話す機会をもとうと考えていたところ、WDAメンバーが参加するSlackで以下のような投稿がありました。

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これに対して秒で反応して、すぐに対話する場をつくることになりました。
その対話の場で当日ファシリテーションを担当したまるもさんがnoteを書いていますので、その様子はこちらをご覧になってください。

私はその対話の場をどう設計したかを書いてみたいと思います。

どうやって、どこからふりかえるのかを考えた

まず対話の場としては2時間。この2時間をどう使えば参加者が深い対話を行うことができるか。
2時間では語り尽くせないと思いつつも、今回だけで終わらせずにその先につながるためのふりかえりと対話をどうするかを考えて、まずはセミナー全体を自分でふりかえってもらうために、当日のグラフィックレコードを共有してもらっていましたので、それを眺めてもらってふりかえることから始めようと思いました。
グラフィックレコーディングを担当したまりなさんがツイートしていますが、このグラフィックレコードが全部で7枚あったため、それを使わせてもらいました。

Mural上にこんな感じで横に並べて、参加者が時間軸でふりかえることができるようにしました。

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対話を深めるために必要な仕掛けとプロセス

中核となる部分が定まったため、対話を深めるためのプロセスとしては以下のように設計しました。

1. 事前ワークで「自分の中に残ったこと」を書き出しておいてもらう
2. グラフィックレコードを眺めて「気づき」「問い」を書き出す
3. 参加者が書き出した「気づき」「問い」を眺めてコメントする
4. グループでレビュー
5. グループダイアログ(2セッション)
6. 全員でチェックアウト
7. リフレクション

事前ワーク
参加者には事前ワークとして、Muralに「名前」「仕事」「自分の中に残ったこと」を書き出してもらいました。
事前にこれらを書き出しておいてもらうことで、場に参加する前にあらためてセミナーの内容についてふりかえってもらうことを目的としました。
また、ここで書いてもらった「名前」「仕事」を使って、冒頭でグループでのチェックインで自己紹介をしてもらっています。

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グラフィックレコードを使ってふりかえる
そして、次にグラフィックレコードを利用してのふりかえりです。
以下のように自分にとっての「気づき」「問い」があるレコードに色分けされた付箋を使って書き出してもらいました。
7枚のグラフィックレコードにまんべんなく付箋が貼られていました。

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グループダイアログ
グラフィックレコード上に書き出された「気づき」「問い」をもとにしてグループに分かれてダイアログを行いました。
(zoomのブレイクアウトルームを利用しています)
今回はたくさんの方と話す機会を持った方がよいかと考え、15分x2セッションを参加者をランダムにグルーピングしてブレイクアウトルームに振り分けました。
15分という時間はあっという間であったと思うのですが、Mural上にキーワードや話されたことを書き出してもらいました。
この点がいつもなやましいのですが、対話が深まるとアウトプットの手が止まります。とはいえ、書き出すよりも対話の方に意識を向けてもらいたいので、必ずしも書き出さなくてもよい旨を伝えています。

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全員でチェックアウト
そして最後に今回は参加者全員でチェックアウトを行いました。
1人1分で、今日の場をふりかえってコメントする時間。zoomのチャットも併用しましたが、他の方がふりかえっている言葉を聞いたり、自分が発する言葉を考えたりすることで今日の場をふりかえることができたのではないでしょうか。

リフレクションと次のアクション

時間内で実施したのはチェックアウトまでですが、終了後に各自でさらにふりかえりが行えるようにMural上にはリフレクションの項目も用意していました。とはいえ、場が閉じてしまうとリフレクションに向き合うことが難しいので、時間内にリフレクションまで終えられるとよかったのですが、この点については今後改善できればと思います。
(ここ最近の継続した課題です)

おそらく参加された皆さんが思っていたのが「足りない」ということであったと思います。
その「足りない」という気持ちが次の機会につながればと思っていたのですが、早速、この組織ファシリテーション概論についての分科会が企画されることになりました。
分科会もWDAメンバー限定のイベントとなりますので、もしご興味ある方はWDAへの入会をご検討いただければと思います。
一緒に学び、対話する場を持つことを楽しみにしています!


コーヒーを飲みながら書いていることが多いので、サポートいただけたらコーヒー代として使わせていただきます!