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学びの統合、すべての学びをデザインの実践につなげている

とかく、様々な学びの場に参加していることが多く、その学びの場は明示的につながっているようには見えないので、様々な領域に手を出しているように見られることもあるのですが、私自身の中ではすべてつながっていて、それらの学びを統合するプロセスにおいて、デザインを実践しています。
それについて話す機会がなかったのですが、最近それを少しずつ言語化しているので、少しまとめて書いてみようと思います。

この記事はYUMEMI Design Advent Calendar 2022の25日目でもあります。

いま、何をデザインしているのか

まず、あらためていま何をしているのかというと、組織学習、その学習におけるプロセスや体験をデザインしています。
組織学習とは「コア・テキスト 組織学習」では「組織と個人を内包するシステム全体における組織ルーティンの変化」と定義しています。

ポテンシャルを持った個人が揃っていたとしても、そのポテンシャルを組織レベルで発揮させるためには、その個人の経験学習を増幅し、組織の学習としていく必要があります。
また、組織が保有する知識が増えたり、行動が変化、あるいは視点が増える/変わることも学習ではありますが、再現性のある習慣としての「ルーティン」が変化してこそ、「組織は学んだ」ことになり、個人/組織が成長していく土壌が出来上がると考えており、実現に取り組んでいます。
なお、組織学習のより詳細を知りたい方は、よければ以下の記事をご覧になってください。

どの組織においても、様々な役割を担った人たちがたくさんおり、その人たちが実現しようとすることを発揮できるようにしたり、つなぎあわせようと考えていたら、組織学習をデザインすることにたどり着きました。

今回はその組織学習の具体については触れませんが、例えばゆめみという組織において関わっている以下の行動はすべて組織学習につながっています。

・ゆめみのリブランディング
・ゆめみのCorporate BASICsの理解、浸透
・ゆめみのデザイングループの再編
・ゆめみのデザインインターンプログラム開発、実施
・ゆめみの全社会設計、ファシリテーション
・ゆめみにおける組織内コーチング

分散と修繕による探究的アプローチ

冒頭ですべての学びはつながっていると書きましたが、それぞれを学び始める時に、しっかりとした目標を設定していたわけではなく、その時の自分がわからない・知りたいと思っている「問い」を起点としています。
自分がわからない・知りたいと思っている「問い」について答えを探すために、複数の取り組みを持って同時進行的に行う。これをおそらく経験則的に行っていたのですが、わからないから模索し続ける、その中でふとした瞬間に気づきや発見があり、急に理解が進むことがあり、その時にこの探究する問いがアップデートされます。
そんな分散と修繕を繰り返す中で様々な学びの場に参加するようになったと考えています。
それがまさにこの「分散と修繕」による探究的アプローチであり、知らずしらずのうちにこのアプローチを実践していました。

そもそも私自身が持つ「問い」がどうすれば答えが出るのか、そもそも答えが出るものなのか、そういったものばかりなので、これを学べば役に立つ、というものではなく、自分で複数の学びをつなぎ合わせて実践を重ねる中で、ようやく答えらしきものに近づきつつある、といったところです。
きっとこの答えにたどり着くことはなくて、この探究のプロセス自体が私や周りに影響を与え続けているのかもしれません。

コーチングとアートを通じて自分と向き合う

30代後半から様々な学びと実践を繰り返し続けていたのですが、それはやはり仕事に生かす目的でしたが、いま思うと自分と向き合うことができていなかったと思います。目の前にある仕事に取り組むために学び実践するという自転車操業的な学習であったので、そこに自分の在り方というものはなく、仕事をこなしたいたように思います。
自己内省するタイプと勝手に思い込んでいましたが、あらためてふりかえってみるとそれは浅い内省であったといまはそう思ってしまいます。
そう思うようになったのはこの二年間のコーチングの学びと実践、そして今年のアートの学びを通して自分と向き合う機会を持ち続けたからです。

もともとコーチング嫌いだった自分が門戸を叩いたCTIジャパンで資格取得に至るまでを過ごし、現時点までに有償コーチング250時間以上を行うにまでなり、その時間はコーチングを提供するだけではなく、自分のための時間であったとも言えます。
コーチはクライアントと向き合いながらも同時に自分とも向き合っている。だからこそ、コーチングの機会が増えるほどに自分を知ることにもなると考えています。

そして、同時期に学びはじめたシステムコーチング。この学びによって「関係性」を見つめる新しい視点を手に入れることができました。
関係性、そして関わり、この視点を持つことによって自分と他者、そして組織や社会とどんな関係性であるのか、どのように関わっていくのか、そんな視点や思考を持つことによって、自分の在り方をさらに深く考えることができるようになったと思います。

そして、今年4〜9月に参加した京都でのアートの学び。京都という場所とアートを通じて自分と向き合い続けた半年でした。
このBASE ART CAMPのWebに書かれている言葉を使わせてもらいますが、まさに「忘れていた自分と向き合うための5つの補助線」、それがこのアートプログラムにはありました。

・自分の内側にあるものを起点にする
・言葉にできないことを意識する
・価値は自分で決める
・人と違うことをする
・物事を再定義する

コーチングとはまた違った視点と手法で自分の内側にあるものと向き合い続けて、それを表現することに取り組むことができた。それによってこれまで表に出てこなかった自分に気づけたように思います。
この京都での学びの時間があったから、コーチングを通した自分とアートを通した自分が統合されていったのかもしれません。

3つの視点を働き方でつくり出す

現在は、ゆめみMIMIGURI、自分の会社、と3つの場所で働いています。自分の会社は正確には窓口になっているだけで個人活動ですが、それぞれの場所で行っている仕事は異なります。
ゆめみではゆめみの組織のことを、MIMIGURIではCULTIBASE事業、そして自分の会社では企業の新規事業開発支援を主に行っています。
これもそれぞれ別々のことを行っているように見えますが、自分の中ではすべてつながっていて、自分の知見が循環するようにしています。
自分の知見を切り売りするのではなく、一つの組織にいるのでは得ることができない経験を3つの場所を設けてそれぞれで経験学習し、さらに循環させることで複合的な学習を得られるようにしているのです。

またもう一つの目的としては、一つの組織にいることで固定化しがちな視点や思考を3つの場所で働くことによって、半ば強制的に視点や思考を切り替えることができるようにしています。
これは自分の性質として、一つのことにのめり込んでしまって、視点や思考が固定化しがちなので、それを防ぐためにもこの働き方をしています。
視点や思考が固定化してしまうことは、学習も固定化してしまう。また経験学習を自分の中で留めるのではなく、組織内、また組織を超えて循環させることが組織学習の実現につながると考えています。

コミュニティの力を借りる

そして、もう一点、組織以外に複数のコミュニティの力も借りています。ここで言うコミュニティとは以下を指しています。

それぞれはコミュニティと銘打ってはいませんが、一定の規模/期間となったイベントはもはや学習コミュニティと言ってもいいのではないでしょうか。少なくとも私はこれらのコミュニティでたくさんの人たちの知見が共有され、たくさんの人たちが言葉や想いを交わし合っているのを目にしてきました。
それは知を編むコミュニティと言っても過言ではないと考えています。
これらのコミュニティに参加させてもらうことで、私は経験学習し、それを自分の学びに織り交ぜることを行っています。
私自身もコミュニティに参加している皆さんに何かしらの知見を渡すことができているとよいのですが。

学びを統合、そして循環させる

すでに提供されている学びについてはそれぞれの学び場に参加すればよいかと思うのですが、私が自分の学びを統合し、循環させることによって、私が目指す組織学習の実現に近づくと考えています。
自分が得た学びをより多くの人たちに伝えていくこと、それが自分が学び続ける理由の一つでもありますし、この学びの統合と循環するプロセスを継続していくことがこれに関わる人や組織の成長に寄与することになれば、それは自分にとってとても喜ばしいことだなと思っています。

先日、別の記事でも「人や組織の学習体験をデザインする」と書いたのですが、こちらもよければ読んでいただけると、この記事の補完になるかもしれません。(ならないかもしれません。。)


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