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【エッセイ】残月と右目

気配で目が覚める。


ベット脇に彼が座っている。


目覚まし時計を見る。
セット時刻のまだ2時間半前。


寝返りを打つ。


背中越しに、まだ・・・

寝返りを打つ。


彼はいる。


降参。


手を伸ばしシャッターのボタン押す。
早朝の白光が広がる。

色褪せた赤い紐をつけてあげ
連れ立って玄関を出ると

空にはまだ月があった。


彼の今の右目のように


透き通った白だった。

by カツなう







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