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50代の仕事の心がけ 自分勝手に生きる

アメリカに渡ってから今年で20年となった。アメリカの製薬会社で研究者として働き続けた。その間、レイオフを食らったり、落第点をつけられたこともあった。50代になって、ようやく周りから信頼を受け、自分のポジションは確立できたと感じられるようになった。来月で57歳になり、アメリカでフルタイムで仕事をするのももう10年もないだろう。これまでも自分勝手だったが、後悔しないように更に自分勝手に自分の仕事人生を生きたい。僕の50代の仕事の心がけは「自分勝手に生きる」だ。

自分勝手に生きる

日本で働いていたら役職定年になる年だが、幸い超ジョブ型雇用のアメリカでは定年はない。容赦ないジョブ型雇用なので、パフォーマンスが悪ければクビになるし、会社の業績が悪くなればレイオフされる。逆に会社にとってやめられたら困る存在になれば、他へ転職しないように必死に給料や職場環境を整えてくれて、会社と対等な関係でいられる。今の会社に転職して1年半が経ち、周りからも信頼を受け、周りが自分に何を期待しているかも分かってきた。今年は更に大胆に「自分勝手に生きる」を仕事で実践して、1年後にどんな自分になるかを実験してみたくなった。そのために以下の3つのことを実践している。

1.自分がワクワクするものしかやらない

僕は、癌の新薬を研究開発する製薬会社で研究者として働いている。とても幸運なことに会社のミッションと、自分がワクワクする仕事内容がピッタリ一致する。自分の頭でどんな試験を行えば新薬の開発が進むかを考え、得られた結果からどんなことが新たに分かったかを分析し、新薬開発のプロジェクトを突き進めることが大好きでとてもワクワクする。新たに分かったことを論理的にまとめてストーリーを作る作業に没頭すると時間を忘れてしまう。この面白い部分を他人の頭で考えたやらされ仕事でやるのは、絶対にイヤだ。だから、100%能動的に自らが上司や会社幹部に提案して、自分のワクワクするものしかやらないことにしている。

2.大胆に手を抜く

自分がワクワクするものに没頭する時間を作るためには、たくさんのやらないことを決めなければならない。自分がやりたくないこと、苦手なこと、他の人でもできることは、大胆に上司、部下、同僚に回すようにしている。

僕は自分が主催するミーティング、自分が発表するミーティングには命をかける。参加者は自分たちの貴重な時間を使って僕の発表を聞いてくれるのだから、彼らがミーティングに参加して、僕の発表を聞いて本当に良かった!と思ってほしい。僕のミーティングに参加して、時間の無駄だったなどとは絶対に思われたくない。

一方、僕は、その他のミーティングをサボる常習犯だ。アジェンダを見て、このミーティングは後で議事録を読むだけで十分だなと思ったら、参加しない。ミーティングの中で、ほんの少しだけコメントを求められる可能性があるため、部門責任者として参加せざるをえない場合もある。そんな状況でも、極力、上司や部下に回して、自分はサボる。都合の良いことに、上司のメアリー(仮名)は、僕とは全く違うタイプで、このようなミーティングに出て、とっさの質問に対してコメントをするのがとても得意だ。なので、喜んで僕の代わりに参加してくれる。メアリーが僕の代わりにミーティングに出てくれることで、僕は自分の没頭できるワクワクすることに使える時間ができる。メアリーは僕がまとめた情報をもとに、ミーティングで適切なコメントができ、存在感を示すことができる。お互い得意な部分で勝負して、持ちつ持たれつの関係を作っている。

他にも、自分がやりたくない仕事は、全部大胆に他の人に任せて、自分は自分にとって美味しい仕事だけに時間を使えるようにしている。若い頃には、そんな自分勝手でわがままな仕事スタイルは取れなかっただろう。でも50代になると後悔するくらいなら自分勝手に生きていいと思えるようになった。しかも、超ジョブ型雇用のアメリカでは、幸いなことにそれがまかり通る。

3.基本生活スタイルを最大プライオリティとする

これまでもかなりわがままな自分に都合の良い生活スタイルを実践していたが、コロナ禍で自宅からのリモートワークが主流となり、さらにそれが充実した。自分の体調を最高の状態にすることで、はじめて最高のパフォーマンスが出せるので、仕事以前に、食事、運動、睡眠の基本を最大のプライオリティとしている。

僕は夜は9時前に寝てしまい、朝は3時頃に自然に目が覚める。目覚まし時計は一切いらない。この睡眠パターンが自分にめちゃ合っているようだ。

早朝には、ひと仕事終えた後、必ず朝散歩かジョギングをして、リフレッシュする。その後、大好きなコーヒーを自分のご褒美としている。

日中、たまに眠気が襲い、頭が働かなくなることがある。少し運動して体を動かすと、もとに戻ることもあるが、どうしても眠気が去らない時は大胆に昼寝をする。これも僕の特技だが、昼寝をしても必ず5分程度で目が覚め、頭がスッキリするようになる。ほとんどの日は、自宅で働いているので、仕事中いつだって、昼寝や休憩はできる。

食事は、可能な限り自然なものを食べ、加工食品や食品添加物をできるだけ避けるようにしている。

仕事だけに没頭するあまり、これらの基本を疎かにして体調を崩して、最高のパフォーマンスが発揮できなければ、本末転倒なので、仕事以前に食事、運動、睡眠に最大のプライオリティを置いている。


日本にいたらこんな自分勝手な生き方は難しいかもしれない。でも、せっかくアメリカで働いているので、後悔しないように自分のやりたいことをやって自分勝手に生きて、どんな自分になるかを見てみる実験を行うこととしている。










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