ひとり遊び

 実は、こう見えても今の自分にけっこう、満足とまでは言えないけど、全然ダメなとこも、仕事とかでは特に、全然多いけど、それでも意外と、今の自分悪くないかなとか、ある一面ではかなり理想的な、幸せとか言ってしまってもいい生活も、主に家庭に関する一面とかでは、できてる感じがあって、妻とも仲良くやってるし、あくまで僕の側から見てだけど、でも妻の側から見てもきっと、同じような感じで思ってくれてるようには、僕には見えて、自分自身のことに関しても、嫌いじゃないし、なかなか面白い人になったな自分とかって、面白いって芸人みたいなとかじゃなくって、インタレスティングみたいな、そういう意味の方の、面白い人になったな自分とかって、客観的なふりして自分を見てみたりして、手前味噌で、独りよがりなんだけど、そんな風に思うことなんかもあって、馬鹿みたいに、でもだから、これまでの年月の歩みみたいなのとか、選択みたいな、岐路というか、そういうのを、後悔したりとか、間違ってるとこもあったかもしんないけど、間違いも含めて肯定というか、まぁ良かったよね結果みたいな、そんな風に、実は日頃密かに、思ったりしてるんだけど、こないだ夢を、夢なんて普段全然見もしないのに、夢を、昔の、付き合ってた人の、彼女の夢を、別にその彼女のことを引きずってるとか、そんなの全然ないのに、強がりとかじゃなくって、普段思い出すこともないのに、見てしまって、彼女は昔のままの見た目で、昔の見た目しか知らないから当たり前だけど、高校生とか、付き合ってた当時のままで、夢に、出てきて、僕の見た目はどうだったのか、夢で、わかんないけど、朝になって、夢が終わって、目が覚めた時に、ベッドの上で、今の、現実の、妻が隣にいて、目が覚めた時に、あれ、何してんだっけみたいな、ここはどこだっけみたいな、まるで当時の、高校生とかの時の自分が、その時のままで、わけもわからずここにいたみたいな、ワープしたみたいな、そんな気分に一瞬だけだけど、なってしまって、昔の自分と今の自分とのつながりが理解できなくて、彼女は夢に、ただ出てきただけで別に、何したとか、夢の中でも、そういうのじゃないのに、起きた時そんな気分に、一瞬だけだけど、なってしまって、カーテン開けて、歯磨いて、朝ごはん食べて、着替えて、仕事に向かってる時に、なんか、その彼女と、夢に出てきた彼女と、もしかすると、可能性として、その彼女と、一緒に歳をとって今に至るっていうような、そんな、生き方、みたいなものも、一方的に僕が選べるものじゃ、もちろんないけど、そういうのもあったんだなとかって、それが幸せかどうかわかんないし、そんなのどうだっていいくらいに、今この現在だって、悪くないなとか、もっと、愛おしいなんて、思ってるのに、だから、どっちがより幸せだったかとかじゃなくって、ただその、今と違う道筋というか、可能性を、選択肢を、今さらに気づいたことというか、もう選べなくなってから見つけたってことに対して、一日とか、二日とか、ちょっとの間だけ戸惑ったり、一応は、戸惑ったり、してみたりして、感傷的とか、そういうのを試してみたり、して、彼女も僕の夢見たりするかなとか、夢見て、戸惑ったりして欲しいな彼女もとかって、いい歳して、どっぷり浸かってみたりしちゃったりして、ゲロいよそれ超ウケるみたいな、あははみたいな、遊びを、そういう、ひとり遊びを、ジジイになってもやるんだろうな。

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