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人事も就活生も嘘をつくのか?

先日からAudibleで「六人の嘘つきな大学生」を聞いていたのだけれど、今日やった聞き終わった。

あらすじ
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

Amazon商品ページより

この物語は、就活生の目線で描かれており、就活中の「嘘」がテーマとなり、あれやこれやと事件が起こったり起こらなかったりする。

ネタバレしないようにあまり物語の中身には触れないでいようと思うのだけれど、この物語に登場する就活生は様々な嘘をつく。
バイト先を偽っていたり、ボランティア経験があると言ってみたり。


実際の就職活動において、学生がどの程度”嘘”をついているのか、その実態は分からない。
しかし、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)のエピソードの大半が、サークルや部活、或いはバイト先のリーダーとなってメンバーをまとめたことが上がってくるので、たまたま就活時期だけリーダーがたくさん発生しているのか、或いはちょっと脚色をしているかのいずれかだと思っている。


私自身が就職活動生だったのは、かれこれ15~16年くらい前のことで、もうそこまではっきりとは覚えていないけれど、第一志望ではない企業に対しても「御社が第一志望です」くらいのことは当たり前に言っていたような気がする。経歴についてはどうだっただろうか。多少、話がおもしろおかしくなるように盛ったような気はするが、実態が無いをあるというほどの嘘はつかなかった気がする。

これは嘘をつくことに対しての罪悪感を感じたというよりは、バレないように嘘をつき通す自信が無かったので、嘘をつくこと自体を諦めていた気がする。


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面接官として、新卒採用の面接官を担当したこともある。
実数はもはや数えていないが、3ケタくらいの学生とお話させて頂いた。

お話をお伺いしていると「嘘っぽいな~」と感じてしまうことは時々ある。
しかし、嘘をついていたという理由だけで不合格にするということはなかったように思う。ただ、お話を詳細にお伺いする中で、嘘に嘘を重ねて論理破綻してしまうような人に対しては「論理性が無い」という理由で不合格にするということはあった。

面接の場で少しでも自分をよく見せようとする姿勢は理解できるものだし、そうすること自体は自然なことでもある。

ただ、無いものをあると言い続けることは非常に難しいので、嘘をついても割とすぐバレるし、怪しいなと感じるようなことがあれば、候補者は他にもたくさんいるのだから、無理に合格にする必要なないと判断される。


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面接官として、企業情報について嘘をつくことはあっただろうか。

これは、けっこうグレーな部分はあるけれど、私個人としては嘘をついたことはない。

理由は、先ほどと同様で、バレないように嘘をつくことが出来ないと諦めているからだ。加えて、採用する際に嘘をつくことのメリットと、その嘘がバレて事実が露呈した際に発生するデメリットを比較した時に、デメリットの方が大きい(≒わりに合わない)と感じることが多々あるからだ。

採用活動というのは、企業側からすれば大きなコストを伴う投資になる。”うまいこと”言って候補者を丸め込んで採用したとしても、入社後に「聞いていたのと違う!」となれば、せっかく採用した人もすぐに辞めてしまうし、そのことを丁寧にクチコミサイトに書かれてしまう。そうすると、次の採用にも支障が出る。
採用にこだわりがなく、応募してくれれば誰でも採用しますというような企業であれば、採用コストがあまりかからないので、美辞麗句を並べ立てて採用するという選択肢もあり得るかもしれない。

しかし、ある程度まじめに採用を行っている企業からすると、嘘をついて採用することは、やっぱり割りに合わないと感じる。


もちろん、多少耳障りがいい言葉に置き換えることは多々ある。
裁量を持って働ける というのは、責任が伴うということだし、スピード感を持って成長出来るというのは、のんびりしていたら置いていかれるということにもなる。
相手に合わせて、見せ方や伝え方を変えることはテクニックとして用いられるが、あくまで表現方法の範疇だと思う。(まぁ、それも程度によるが)


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今回、六人の嘘つきな大学生 を聞いて、あらためて採用、就職における嘘について考えてみました。

実際には嘘はそこまで横行していないと願いたいところです。
ただ悲しいことに誤解や錯誤というのは、少なからず発生しているというのが実態かと思っています。

人は誰しも多かれ少なかれ自分に都合がよいように物事を解釈してしまうことがある。それによって、過大に感じたり、過小に感じたり。ようは話し手の意図と異なった形で受け手に伝わるということがあるという事です。

難しいよなぁ、コミュニケーションって。











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