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実録!インハウスデザイン部門の評価の仕方

スキルマップで業務を分解

3人体制になった頃、部下の指導と評価に役立ったのは全社的に取り組んでいた「スキルマップ」でした。会社にある職種全てで「何年で一人前か?一年間でここまでできるようになりましょう。そのために必要な教材はこれ。」といった具合にスキル分解と成長目標を見える化したものです。少人数でやるならずっとOJTでいいのですが、200人を超える組織にいたので会社には「評価基準」がありました。なんとなく頑張ったね、では評価しきれませんし役員が理解できません。部署以外の人にも業務・成長が分かるようにする必要がありました。

活用しきれていない部署もあったようですが、私の部署ではこのスキルマップをフル活用。業務が多岐に渡るので大項目は「社会性(これはどの部署でも共有)・デザイン・ブランディング・広報・マーケティング」の5つ。デザインだと初年度は「チラシをイラストレーターで模写できるようになる」とか、住宅やリノベーションの見学会販促が多いため「地図を作ることができる」などパーツの制作ができるようになること、など。それを半期に一回自己採点してもらい、そのあと私が採点しフィードバック。そうすることでデザインという一見目に見えないスキルを分解し、課題と目標を共有していきました。

これはすでに入社後のメンバーにも適応され、年数を経るごとに企画の責任者やマーケティング施策、広告費の責任を持つなどレベルアップしていきます。社歴が長くなっていくと教材はビジネス本や経営者向けセミナーなど。デザインに限らず広く高い視座が求められます。私が入社からデザイン室長に至るまでの10年をギュッと凝縮し、半分くらいの5〜6年程度で私と同等の人を育成できる方法を見える化したものです。我ながら結構貴重なノウハウなんじゃないかと思っています。

スキルマップ作りは大変ではありましたが、初めて後輩を持ったあの時と同じで「自分の仕事を整理する」のに非常に役立ちました。今、ジュークアンリミテッドとして他企業からインハウスデザイナー最初の1人をお預かりして育成してあげられるのはこの経験があるからです。


賞に挑戦して第三者評価をゲット

1人から4人体制までなったコーポレートプランニング室。多岐に渡り4人で活動した結果、手がけたブランドがヒットしたり、新しい建設業として視察が増えたり、採用も順調で対外的評価は上がりました。が、社内から「あの部署何やってるの?」という声も出ていました。社内報や全社員会で活動報告をしていましたが本社と現場、支店の物理的距離は心的距離でもあります。なかなか存在意義が伝わっていないことも薄々気が付いていました。

そこで「わかりやすい何か」が欲しい。そう思ったのと、今のデザインの実力がどんなものか?を知りたく、グッドデザイン賞に応募することにしました。2017年に脱3Kの工場建設ブランドで受賞でき、地方の建設会社で生まれたインハウスデザイン部署でも実力があることが証明できました。色々やっていますがデザインを内製化しよう、というのがコーポレートプランニング室のそもそもの始まり。なのでデザインで評価されることで社内にも「あの人たちはデザインをしているんだ」と理解してもらえました。

賞に挑戦することはデザイン、ブランディングの力試しにおすすめです。企画書を書く過程で足りないこと、詰めの甘さを思い知らされるので少々しんどいですが、書き切った時の達成感=きちんとした企画として成立した証。健康経営、女性活躍など働き方に関する制度も各自治体であるのでそれもおすすめです。インハウスデザイナーならデザインオンリーではなく、デザインを説明する文章力も必要。企画書を書けるようになることは自身の企画・デザインを説明することに通ずるのでぜひトライしてみてください。


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