クラウドカメラを使ったら、現場がもっと見えるようになった
今回のnoteは、当社の工事現場への導入をはじめたクラウドカメラについてご紹介します。
クラウドカメラとは?
クラウドカメラとは、カメラで撮影している映像を、クラウドを通じて閲覧できる機能を持つカメラのことを言います。
これまで、防犯・監視用途を中心に、定置型カメラが普及してきましたが、撮影した映像は、端末側のSDカードなどに動画データとして保存しておく必要がありました。
インターネット通信、クラウド技術の発展により、専用のカメラで撮影している映像を遠隔地のPCやスマートフォンでリアルタイムに確認できるようになったことが、おおきな特徴です。
セーフィ社のSafie Go、MIYOSHI社のG-camなど、ユーザニーズを十分に満たすプロダクトが世の中に出ており、今後、建設業界においても普及が進んでいくものと思われます。
地域建設業の何がおもしろくなる?
① 現場をいつでもどこでも把握できる
現場責任者になると、夜間など、現場を離れているときに現場の状況が常々気になるものです。例えば、夜、突然の豪雨が工事現場を襲ったらーー。
不安はさらに高まります。
でも、現場を遠隔監視するクラウドカメラがあれば安心。自宅にいながらスマホで瞬時に現場を確認でき、すぐさま状況を把握することが可能です。
もちろん、状況によっては現場に急行せざるを得ない場合もありますが、現場管理の負担を少しでも軽減できると考えています。
また、地域建設業の公共工事は街中の工事が多く、歩行者の現場内への侵入防止や盗難防止など、現場の保安も施工管理業務の1つです。
そんななか、夜間や休日の対策は悩みどころ。担当者が現場にいない間に起きたことについては、その全容を把握しきれません。
しかし、撮影した動画を確認することができれば、保安対策に問題がないかどうか検討できるようになります。クラウドカメラを通じて夜間にずっと監視しつづけてしまっては本末転倒ですが、動画を超倍速で再生すれば、時間をかけずに後日確認できますよね!
② 現場のタイムラプス動画がつくれる
タイムラプスとは、数秒に1コマずつ撮影した静止画をコマ送りで繋げて動画にしたもの、あるいは動画を倍速で流すことでコマ送りのようにしたものをいいます。
もしタイムラプスがあったら、発注者、建設業に興味のある学生、会社の新人、それぞれに対して、もっとおもしろいことを伝えられると考えました。
まず、発注者に対して、動画があればもっと色々なことを説明できます。
過去の工程や施工状況を説明する際、写真を見せることが通常ですが、動画のほうが多くの情報を含んでいるはずです。ただ、生の録画データを見せるのでは、日が暮れてしまいます。
そんな時、タイムラプスを使えば、自由自在の速度で、工程をすぐに振り返ることができる。そんな活用の仕方があっても良いのではないでしょうか。
また、学生に工事を紹介する際にも、タイムラプス動画は活用できます。
土木は建築に比べて、意匠面よりも機能面が重視されます。カッコイイという理由だけで、道路がものすごいアーチを描いていたら、危険なだけですよね(笑)。ですので、土木工事の完了写真をご紹介しても、正直あまりおもしろくありません。
弊社のような地域建設企業では、日本を代表するようなシンボリックな土木工事は手掛けていないので、魅力を伝えることが中々むずかしいです。
プロからすれば、同じ形状の土木構造物はこの世の中に1つとなく、設計や施工条件も毎回異なる、ということになるわけですが、一般人からしたら、新しい交差点の改良工事と言われても、他の交差点との違いは殆ど分かりません。
そんな中で、個人的には、地域建設業における土木の醍醐味は、完了するまでのプロセスにこそ、あると思っています。
特に、街中の工事では、工事場所の交通状況や天候などの条件が毎回変化するなか、施工プロセスや段取り、日々の判断において、どのような工夫をして、安全かつ工期内に高品質なものをつくりあげていくか、ということが技術者の腕の見せ所になるわけです。
もちろん、土木工事が完了した際の達成感は大きいものもあると思いますが、その「過程」がもっと大切です。そんな「過程」を見える化したタイムラプス動画があれば、学生の皆さんに土木の醍醐味をもっと伝えられるはずです。
そして最後に、若手社員の教育にも活用できます。
新入社員にとって、仕事の殆どが初めてのことになるわけですが、ただ上司に言われた通りやり続けるよりは、その作業は何のためにやっているのか?なぜ必要なのか?といったことまで考えを巡らせられたら、成長スピードは早まるはずです。
その際、ゴールやプロセスをイメージできるかどうかということは、とても重要なことだと思います。それが分からなければ、一つひとつの作業の目的なんて考えられないですよね。
でも、新入社員にとって、どのような土木構造物が出来上がるのか、どのような順序で工事が進んでいくのか、それをイメージすることはとても難しいことでしょう。タイムラプス動画を通じて、工事について少しでも多くのことを学んでほしいと思います。
導入した感想
クラウドカメラは、月額レンタルで契約でき、端末や通信(SIMカード)を自社で調達する必要もありません。
料金も高くて手が出ないというレベルではありませんので、企業規模の小さい地域建設業でも、導入する意義は十二分にあると感じています。
ただし、長時間撮影しつづけるためには電源を確保する必要があるため、適切な場所にカメラを設置して電源を引くことが可能か、そして、前述したような狙いを達成することができるか、という点が、まず最初に抑えねばならないポイントです。
また、タイプラプス動画の作成については、(1) クラウド上で動画編集まで行ってくれるか、あるいは、(2) クラウド上の録画データをローカルに保存したうえで動画編集ソフトを使って自前で作成する必要があるか、のどちらかで手間やコストが大きく変わってきます。
(2) の場合、何か月にまたがる生の録画データはとても大容量になりますので、録画データをローカルに保存する方法を検討する必要があります。
クラウドカメラは、オンラインでリアルタイムに見ることが主な用途なので、現時点では、カメラにSDカードが搭載されていないケースが多いです(あっても容量が2-3日分の容量など)。
そのため、テレビの録画機能のように、ハードディスクにとにかくたくさん取り溜めて…みたいなことは難しいかもしれません。一方で、オンライン上で直接ダウンロードしようとすると、当然、ダウンロードにかかる時間も通信料も大きくなってしまいます。
ですが、多様なニーズに応えるかたちで、様々な企業が色々なサービスを展開し始めています。クラウドカメラのことが気になっている方がおられましたら、ぜひ色々と見比べてもらえたらと思います。
肝心のタイムラプス動画は、現在、当社で工事進行中・撮影中のため、今回のnoteでお見せできないのが残念ですが、工事を無事終えた際には、ぜひ公開できればと思っています!
次回も、地域建設業のDXを実現するためのテクノロジーについて書いていきます。最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。
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