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note小説 三十路のオレ、がん患者

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毎週月曜更新の小説。30代の会社解雇された「オレ」がガンになり、患者視点から描いていく
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2016年7月の記事一覧

note小説 三十路のオレ、がん患者   第25回 Xelox療法を終える

note小説 三十路のオレ、がん患者   第25回 Xelox療法を終える

11月も半ばに入った。

半年の予定だった抗がん剤治療を終える月だ。

待っていた。

この治療に着いて行けず、途中で終えてしまったり、薬の量を減らす人もいるらしい。

だが、幸い途中で終えず薬の量もそのままで半年間を終える。

桜が咲く前に病気が発覚し、桜が満開の頃に手術をし、桜が散って始めた抗がん剤。

半年程度しか経過してないのに、もう何年もこういった生活をしてる気になっている。
逆浦島太郎

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note小説 三十路のオレ、がん患者   第24回 しびれが悪化

note小説 三十路のオレ、がん患者   第24回 しびれが悪化

9月になっても暑い。

もう猛暑しか来ないのではないだろうか。

昔から地球温暖化なんて言われていたが、いよいよ話だけでは済まない段階なのか。

最近では10月まで半袖でいたりする。

日本から四季がなくなるのも時間の問題なのかもしれない。

今のもっと問題なのは「しびれ」だ。

治療を続けているものの気分的にかなり辛くなって来た。

点滴をして痺れているのに帰りに薬局に立ち寄りゼローダを処方して

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note小説 三十路のオレ、がん患者   第23回 嗚呼、暇人達よ

note小説 三十路のオレ、がん患者   第23回 嗚呼、暇人達よ

端から見て働き盛りの男が何日も平日の昼間にいるのは不自然に見えるだろう。

ネットで在宅ワークなんてあるが、そんな理解を平日ぼけーっと過ごす近所の年寄り連中がわかるわけがない。

会社員時代からそうだが、オレは監視されている事に疎い。

いや監視なんてドラマや映画くらいの話かと思っているくらいだ。

性格なのかもしれないが、周囲の目線を気にしない方だ。

隣近所から見られている事に気がついたのは、

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