見出し画像

キーワードは「失敗」。先の見通せない社会をたくましく生きる力って?

「失敗にどう対処するかという能力である」

なるほど!と思いました。

こちらの本を読んでいて発見。「グリット(grit)」という言葉があるそうです。

ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース教授の研究では、「グリット(grit)」という粘り強くやり抜く力が人生のあらゆる成功を決めると提唱している。

(同書 23p)

すでに米国の先端企業では、従来型の学力評価だけではトップ人材を雇うことができないという認識の下、採用プロセスの改革に取り組んでいる。(中略)イーロン・マスクCEOは学歴より卓越した能力を重視しており、「私が面接をするときはキャリアについて聞きます。どのような困難に立ち向かい、肝心なときにどのような意思決定をしたのかでその人について十分な直感が得られます」と2014年のインタビューで答えている。

(同書 25p)

つまり、失敗したとき、しそうなときにヘコたれない力です。失敗というキーワード、どこかで聞いたことがあるな。そうそう、気仙沼でマイプロジェクトに取り組んでいた高校生がインタビューで答えてくれています。

失敗したときになんで失敗したんだっけと根拠を探すようになりました。

画像1

(じもとまるまるゼミ http://maru-zemi.com/2020/07/tanq_book_04/ )

実はこれと同じようなことが、2020年から順次施行されている国の新しい学習指導要領にもはっきり書いてあります。

学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。

( https://www.mext.go.jp/content/1421692_8.pdf )

「粘り強く」とか「振り返って」とか同じようなワードが並んでますね。

うまくいかなくても「めんどくせぇ」で終わらせず、「あれ、なんで失敗したんだろ」「次はどうやったらうまくいくだろ」と考える「クセ」が大切なのでしょう。確かに中学校の総合学習でプロジェクト立案に挑戦してて、とっても優秀そうでも失敗に弱い生徒っていますね。もとい、失敗に弱いというより、失敗にまで至らないんですね。失敗する前に「めんどくさい」と言って自らストップをかけて終わり。結果、失敗も成功も学びもない。

んーっとじゃあ、粘り強く失敗に対処する力ってどうやったら育めるんだろう。そもそも、失敗を回避する力は悪いものじゃない。望んで失敗するのはおかしいでしょ。この問いは今後考えていきましょう。

今日お伝えしたかったことは、先の見通せない社会の到来によってアメリカのイケてる企業から日本の文科省の新学習指導要領まで、おんなじことを言い始めているよ、ということです。それはいわゆるテストで測れる学力よりも、粘り強さとかコミュニケーション力とか自己管理の能力とかの方が生きていく上で大切だよね、という当たり前っちゃ当たり前のこと。こういう力をざっくり「非認知能力」と総称したりします。「今さらかよ」と思う人もいるでしょう。「え、テストの点数の時代は終わったの?」と驚く人もいるでしょう。我が子はどうなるの?粘り強さは結構だけど、テストの点数がとれないといい大学に行けないのは事実でしょう?あれ、大学入試も変わってきてるんだっけ?

ますます問いは湧いてきますが、そもそもテストの成績絶対主義はどこからやってきたんでしょう?次も竹村さんの本と一緒に、そんなことを考えてみます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?