校長先生がコロナ禍でタブーをクリアするとき
気仙沼の唐桑半島のおんちゃんたちのあるある言いたい。「おれらのころはプールなんてねがったんだ!浜さ行って泳がされたんだぞ!」言いがち。
はい、コロナ禍でプールが中止になった昨年。この小学校の校長先生(当時)が「プールがダメなんだったら海だ」と粋なことをおっしゃいまして、浜の漁師会を口説き「海に親しむ会」という全校生徒で浜に行く企画を実現させました。
今日7月12日はその2年目でした。今年も大盛況。浜の漁師会や公民館だけじゃなく、唐桑の漁協、消防、なんと気仙沼海上保安署まで来てくれます。
(今朝は最高の透明度でした)
ビーチクリーンや磯遊びだけじゃありません。(係留した船から)箱メガネでウニの観察、今年はなんとタブーに近いウニ獲り体験、そして、こちらもほぼタブーの“飛び込み”体験、唐桑の言葉で「たづぼんこ」と言います、たった数時間ですが海を堪能します。
(たづぼんこは浜の度胸だめしなんです)
私の役割は、からくわ丸のこの地元のお兄さん「海からあがるときに岸壁の牡蠣殻で足を切らないようにカバー被せてハシゴをかけるたづぼんこキット設置職人」のお手伝いです。今朝、朝イチ2人でハシゴをおろして来ました。ホントに嫌な顔ひとつせず黒子に徹するんですよ、この唐桑の三井商店のお兄さんは。黙々と。人知れず。
前校長と先週会ってきました。「2年やれれば、あの小学校ではもう定着するなぁ」と異動先の校長室で嬉しそうな顔。
多くのタブーは「やれない理由」でガチガチに固められています。でも、実はひとつひとつの扉を「やれる理由」で開けていけば、「やってやれないことはない」のかもしれません。
隣の小学校との合併計画があります。もし合併になったとしても、どうか続けてほしいです。未来の校長先生にお願いするのでした。