季節労働|ホタテ漁師編|#02 待遇は?住む場所は?のアレコレ
さて、前回からの続き。
北海道豊浦町でホタテ漁師の季節労働。
住み込みバイターの待遇や住む場所などはどうなっているのか。
今日はそんな話。
お給料と待遇
まずは一番気になる項目から。
■時給
¥1,200〜
リピーターは仕事量に応じてちょっとボーナスが付くことも。
■シフト
朝4時スタート。午後1時くらいに終了。
その日の分を全部捌き切ったら終了、という感じなので早く仕事をすればそれだけ早く帰れる。
また、海が荒れたり雨が降ったら時間をずらしてスタート/終了することもある。
休憩は朝7時のコーヒータイム10分と、お昼の休憩15分。
それ以外の時間はずっと働いている。
(トイレなどは行き来自由)
■休み
お天気次第。
海が荒れたら or 雨が降ったら休み。
休みかどうかは当日の朝まで分からない。
天気が崩れる予報が出ると『明日は休みかも!』という話題で持ちきりになり、みんなそわそわする。
その他、用事などで休みたい場合は漁家さんと相談する。
が、シーズン中は個人的な事情での休みは言いだしにくい。
きちんとお願いすれば休みの願いを却下されることはまず無いが、
漁家さんとしては、アルバイターの住む家を世話してでも人を雇いたいほど忙しい時期なのだ。
自由気ままに休めるという雰囲気ではない。
■食事
仕事のある日は正午に白米とおかずが一品出る。
昼休憩と言っても15分ほどしかないので、用意されたものをササッと食べて終了。
朝/晩は自炊。
ホタテ(この時期は稚貝しかないが)は食べ放題。
■寮
シェアハウス。光熱費¥4,000/月。
運が良ければ個室。バイターが多ければ2,3人でシェア。
風呂/トイレ/冷蔵庫/洗濯機などは共用。
洗濯洗剤やシャンプーなどの消耗品は各自用意する。
寮は通称ホタテハウスと呼ばれていて(旅具店たちがそう呼んでいるだけかも)、今時珍しく喫煙可能である。
リビングや部屋でみんな自由にぷかぷかしている。
ちなみに、漁家さんは近くの自宅に住んでいる。ホタテハウスでは職場の緊張感から解放されて、みなリラックスして過ごしている。
■求人情報
旅具店がお世話になっている漁家さんは求人を出していない。
面倒なのか、ネットに求人を出したりするのが苦手なのかは分からないが『人が足りない』と言いながら、あまり積極的に情報を出している風ではない。
旅具店はたまたま友達の妹が働いていて、初年度はその子の紹介でこの仕事を始めた。
こんな感じで毎年リピーターの誰かが友達を連れて来たり、どこからか噂を聞きつけて自分で漁家さんにコンタクトを取った人間が集まってくる。
場所がニセコ(今や世界が注目するスキーリゾート)から近いこともあり、コロナ禍前は外国人のワーカーもたくさんいた。
(みんなニセコでスノボ三昧な冬を過ごし、春先に仕事を求めてホタテ漁師の元へ流れて来ていた。)
すぐ隣の漁家さんはジモティなどに求人を掲載していた。
シェアハウスでの暮らし
シェアハウスでの暮らしは意外と快適だ。
大体みんな共同生活のイロハを知っている人間が来るので、揉め事やトラブルはほとんどない。
たくさん料理を作って『作ったから食べていいよ』とシェアしてくれる人もいれば、ゴミの日に毎度忘れずにゴミ出ししてくれる人がいたり、みんなで上手く暮らしている。
リビングで他愛もないおしゃべりをしたり、オフにはみんなで温泉に出かけたり、仲間が居るのはやはり楽しい。
中には静かに過ごす派の人もいて、そういう人は誰に遠慮するでもなく、部屋や近くのビーチで自分の時間を過ごしている。
ホタテハウスのスペック
ホタテハウスは古〜い一軒家で、ホタテバイターが出入りする時期以外は空き家になっている。
お風呂のドアは歪んで閉まらず、キッチンの換気扇は30年来営業している中華料理屋か!と思うほど汚い。
旅具店が2シーズン目に使っていた部屋は窓枠も歪んでおり、窓がきちんと閉まらなかった。そのため季節外れの吹雪の日には部屋に雪が舞った。
気温マイナスの北海道で、隙間風が吹き込む部屋の寒さを想像して欲しい。
暖房はリビングにあるストーブのみ。
多い時で10人近くが共同生活をしていたが、風呂もトイレもキッチンも1つしかない。
周辺の環境
ホタテハウスの周辺には飲食店はおろか、小さな商店さえも無い。
最寄りのコンビニまでは車で15分かかる。
そのため、週に何度か車で40分ほど離れた街まで買い出しに行く必要がある。
もしくは、『カケルくん』と言う名のコープが運営する移動販売車を利用する。
カケルくんは火曜日と金曜日(だったかな?)の週2回、田舎の閑散とした港町には似合わない明るいテーマソングを大音量で流しながら町内を周る。
テーマソングが聞こえるとみんな財布を持って家から出てきてあれこれと買い物をする。
カケルくんはキャンピングカーを少し大きくしたような作りなのだが、びっくりするほど色々な商品が詰まっていて、なんだか秘密基地のようで面白い。
何もない所だが、近くに静かで綺麗なビーチがある。
休みの日に散歩したり、貝殻を拾いに行ったりする人もいる。
また、ホタテハウスのある豊浦町には日本一の秘境駅と言われる“小幌駅”がある。
他にも、家のすぐ近くの礼文駅や歩いて1時間ほどのところにある大岸駅もかなりレトロで、なんだか懐かしい風景だ。
ホタテハウスから車で15分ほどのところには“しおさい”という温泉があり、源泉掛け流しの温泉に¥600で入れる。
小さなレストランを併設しており、休憩スペースも広いので、ホタテバイターはよく入りにいく。
車さえあれば伊達温泉やニセコ周辺の温泉、休日なら登別温泉や八雲の温泉にも入りに行ける。
ホタテ漁師のいいところ
ボロボロのホタテハウス、コンビニさえも果てしなく遠い田舎、早朝から始まる仕事。
話だけ聞けば辛いことだらけのホタテ漁師をやる理由は何なのか。
ここまで書くのに長くなってしまったので、
この話の続きは次回。
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