取り戻したい感性
こんにちは。最近、先輩や友人と仕事や自分たちのクリエイションに関する話をしたり聞いたりしては悶々と考え込んでしまいがちになっている加藤です。別に病んでいる訳ではありません。
そんな中、過去のデータを整理していたらロンドンに留学していたとき(6年前くらい?)の写真を発見してみたので、こちらに載せてみようと思った次第です。このときは技術的にも知識的にも写真のことは何も分からず、只々自分の感性に身を任せてシャッターを切っていました。それでも純粋に自分の写真という感じがして一番好きな作品達です。
大学生のとき新宿のカメキタにデッドストックで売られていたkenkoのフィルムカメラで撮影したものになります。kenkoってレンズフィルターや露出計などのメーカーとしては知られていますが、実はカメラもあるのです。ちなみにFマウントなのでニコンのレンズをつけることができます。僕はこれに50mm f1.4のニッコールをつけておりました。
当時の自分が観ていたもの、惹かれた瞬間などがこれらの写真を観ているとフラッシュバックします。強く、明瞭に。
このときのように感情や感性に全振りして写真を撮ることは、限りなく少なくなっているなと気づいたのです。なんならシャッター切る前に脳内Photoshopが起動して脳内Camera Rawでヒストグラムが表示され、ここはレタッチでやるしかないなどの修正シュミレーションが行われたりと頭の中のCPUとグラフィックボードがフルスロットルで起動みたいな感じです。商業写真としての商品価値を担保するために使う思考の割合が限りなく増えていった、というべきでしょうか。(商業写真とはいえ、ビジュアルで目を引くものを撮影しなければいけないのだからロジックだけで商業写真の価値が担保できると思うなよ阿呆が、みたいな話はここでは度外視して頂きまして...)
性根からゴリゴリの左脳派人間なので今の状態に傾倒しているのは当然の結果といえます。とはいえ、過去に撮っていた写真は紛れもなく感性に従ってシャッターを切っていたので、今の自分には無くなりつつあるこの感覚を少しでも取り戻すことができたら今の自分よりも少し成長できるのではないか、そんな仮説を立てた訳であります。
そんなことを踏まえつつこれからどうしようかというのをダラダラと考えていければよいな、と。
今回は僕の個人的ぼやきに近いとりとめもない文章でしたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
P.S. カバーの写真はRICOH GRで撮ったものです(つい最近壊れたのでCR IIを安く購入しようか検討中...GRは現在修理不可のため)。SOHOにあるTHE PHOTOGRAPHERS' GALLERYというギャラリーで当時好きな写真家のひとりであるヴィヴィアン・サッセンの展示を見に行ったときの一コマです。確かこの年に彼女はM/M Parisと組んでパルコのキャンペーンを撮影していましたね。
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