シェア
Kate
2022年5月23日 21:59
仄暗く冷たい水の中、徐々に遠ざかる水面を見上げた先、朧げに揺れる太陽のすぐ隣に、同じように朧げに揺れるあなたが見えた。その顔が笑っているように見えたのは、揺れる水面が見せた幻想だったのか。それでも、その瞬間に何よりも強く願ったのは、どうかその顔が、弾けるような笑顔であってほしいということ。あなたへ手の届かない場所へとゆっくり落ちていく私を見て、笑っていてほしい、と。私の口から少しずつ漏
2022年5月7日 21:52
見つけて欲しかったそうでなければ私は私を見失うから名前を呼んで欲しかったそうでなければ私は私を忘れてしまうから抱きしめて欲しかったそうでなければ私は私を保てないから愛して欲しかったそうでなければ私は私を愛せないから貴方の指でなぞられて初めて私は私の形を知った貴方の声で呼ばれて初めて私は私の存在を知った「なぜ泣くの」そう言った貴方の瞳に写った私を見て初めて私が
2022年5月1日 14:49
とめどなく流れ溢れ出ていたものが枯渇していく様を見るくらいならばいっそそんなもの最初から無い方がよかったなどと。帰ることも変えることもできない過去に責任を負わせるようなことをすることでしか安心も安堵もできないのです。果たしてその過去が本当にその姿であったかさえ分からないというのに、呆然と立ち尽くす幼い私を叱責することでしか私は私を保つことができない。あなたが悪いのよ。あなたが。私は