2039年の荒廃した世界を描く「天国大魔境」
2039年の荒廃した世界を描く「天国大魔境」。
『このマンガがすごい!2019』オトコ編 第1位に選ばれた漫画だが、読んだことがなかったのでふと読んでみたらこれが本当にすごかった。
物語は、「壁に囲まれた施設」と「壁の外側の崩壊した日本」の2つの世界が平行して描かれている。
主人公たちは10歳前後の子どもたち。
とある施設で育つ、壁の外をなにも知らない少年少女。
子どもたちには運動能力や知能、芸術センスなど、それぞれ常人以上の特殊な能力が備わっている。
田村由美先生の「7SEEDS」のような面白さもある。
もうひとつの舞台は「壁の外側の崩壊した日本」を旅する少年少女。
“人食い”と呼ばれるバケモノに襲われながら「天国」という場所を目指す。
影響された漫画家のひとりに、かの大友克洋先生の名前も挙げている作者、石黒正数先生。
壁の外は「AKIRA」や「ドロヘドロ」を彷彿とさせるSF的でディストピアな世界観。
最大の魅力
だが、本作の最大の魅力は・・・
“ふとした時のやわらかさ”。
そこはかとなく漂う牧歌的な雰囲気すら感じることがある。
この漫画の“不思議な空気感”の要因のひとつ。
同時進行していく2つのストーリー。
そのコントラストに引き込まれる・・・。
「壁の中」は一見、平和な世界、でも怖い。
謎はまだ解かれていない部分が多く
「平和的だけど、どこか怖い」。
対して、「壁の外」は常に命の危険と隣り合わせ。
荒れ果てた世界をサバイバルしていく旅なのだが、
どこかほのぼのとしたやり取りなどが見受けられる。
「物騒だけど、その状況を楽しんでいる」。
グルメな一面も・・・
資源をあさって「ようかんと乾パンを煮た物」を作ったりする。「ネーミングセンスがおわってる」と呆れられるも、その味は絶賛。
こんな「作ってみた」記事もあった。
さらに、気になるポイントは・・・
なぜか壁の中と外の主人公の顔がまったく同じというところ。
謎が謎を呼ぶ魅力的な展開から目が離せない『天国大魔境』。
どんな種明かしが待っているのか、現在は4巻まで出ているが続きが気になって仕方ない。
これは持論だけど、全巻出てからまとめて読みたい漫画だと思った。
ぐいぐい引き込まれるストーリーで、謎や細かい伏線がたくさん張ってある。
一気読みしたい漫画。
だけど、気になるからリアルタイムで読んじゃう。
これからもますます目が離せない。
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Dudes(デューズ)、Lüstzöe(ラストゾーイ)
Vo/カタヤマヒロキ
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