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これからの地方創生とふるさと納税の変化

さて、ようやく本日リリースになるが、新しいふるさと納税サイト「ふるらぶ」をスタートさせます。

「ふるらぶ せとうち」は、香川・兵庫・広島・愛媛・岡山・徳島・山口7県に属する各自治体を対象に参加を集い、せとうちの自然の恵みがはぐくんだ「人」「モノ」「場所」を紹介していく、地域限定のふるさと納税ポータルサイトです。

すでに数多くのふるさと納税ポータルサイトがある中で、「ふるらぶ せとうち」は「地域からの発信」を応援する機能・要素を強味にしてまいります。
また、返礼品の新しい開発にも協力する知見をもった会社が運営することにより、都市部とのネットワークも取り入れた、新しい地域を都市部、あるいは地域と地域どうしの繋がりづくりを目指してまいります。

簡単に言うと、地域(ある程度のエリア)に、ファンづくり手段(ふるさと納税×メディア)を掛け合わせたサイトです。そして、ふるさと納税の「返礼品合戦」を促進することはせず、自治体と弊社独自の「コト返礼品」開発に自ら参画し、また、運営会社が持つ独自の「料理人ネットワーク」を活用し、都会のシェフと瀬戸内地方の特産物のコラボレーションミールキットや加工品の開発、ふるさと納税返礼品としての拡散を狙っています。メディアの部分はまだまだこれからではありますので、某大手企業はじめどんどん皆さんの参画をお願いしている段階です。コト返礼品開発のアイデアや開発手法、運営手段は段階的に地域のまちづくり会社や協議会に移管していくことを想定しています。地域のまちづくり組織の新しい手段となるように考えています。

そして、最初は自治体登録は5つでスタートしていますが、今後秋ごろに10自治体ほどに、年内に15くらいになればいいと思っております。それは、自治体の数ではなく、本当にその地域のファンになってくれる情報発信や商品開発を主体としたいからです。

ここからは会社の意思を離れ、個人的な見解になりますが、遅かれ早かれふるさと納税のカタチは変わってくると思います。

まず、ふるさと納税のデメリットとしては、住民が他の自治体に寄附してしまうリスクが挙げられ、これが東京の23区などで、住民サービスの低下などが叫ばれています。しかし、私からしてみると、すでに多くの税金が、東京で吸い上げられて地方に分配されています。その分配が、より「見える化」されることはむしろいいことなのではないかと思っております。

また、そういった「地方への分配」に原資を持つ『地方創生』が必ずしも効果を上げていないことは既に明確です。

https://www.youtube.com/watch?v=4koJZmEx5IM


こちらの16:20〜からの講師 北川正恭氏(早稲田大学名誉教授、早稲田大学マニュフェスト研究所顧問、元衆議院議員)の基調講演はとても勉強になります。第一期地方創生への評価と振り返りをされつつ、第二期(2022~)への展望の話として、『今までの地方創生は、結局国からのお金なので、箸の上げ下げまで指定された』というような内容を話をされています。そうではなく、地方が本当に覚悟を決めて取り組んでいく地方創生に脱皮します。してくれなきゃ困る。

しかし、それにはお金が必要なのも事実。どうやってではそのお金を稼いでいくのか。それには、ふるさと納税の手段が現状は有効であるし、また今後ある程度エリア単位で地域商社が立ち上がり、地域の産品を発掘、都会に向けたマーケティングを行い、商品を開発し、営業し、販売していく機能が求められると思われます。どのみち、地方は東京圏からお金と人(移住者)を狙いに行かなければならない時代です。国からのひも付き予算獲得競争は、正しい政治をゆがめる側面もあると思っています。国から予算を持ってこれる人脈と実績ばかりが重視されていては、一部の大手企業や特定の地元企業ばかりが潤う構図がそのまま残ります。

いずれは、ふるさと納税による都会への不公平により、住民税は自分が棲んでいるところにすべて払うという制度に戻るかもしれません(セカンドハウスを地方に持っている人はどうなるのかという問題はありますが)。しかし、所得税やそのほかの税金を一定制限の下に自分でどのような使い道に払うかなどの選択ができるようになるかもしれません。寄附文化がどれほど日本で根付くかどうか個人的には懐疑的ですが、もし発展すれば、寄附による所得税控除などの選択肢は広がってくるはず。

そういった時代を見越すと、これから必要なのは、「地方が稼ぐ機能の拡充」で、その一つとして「正しい在り方のふるさと納税の追求と手段の提供」を行います。正しいふるさと納税とは何か。それは返礼品を選ぶのではなく、地域への想いを先ず持ってもらい、その上で返礼品を選んでいただく。そして、いずれは返礼品ではなく、純粋に地域の取り組みへの寄附行為に昇華していくことだと思っています。第2弾として、地域商社の設立支援に乗り出します。そのスタートは千葉県銚子市になるかと思います。

昨日も兵庫県の某市に、とある営農組合を尋ねましたが、いろいろなことをやるに、若い力が圧倒的に足りないことを痛感します(私がそこに入っていろいろやることは構わないのですが、そうなると自主性が損なわれる。かといって人手も厳しい)。6次産業化は、第一次産業者の所得向上のため、マーケティング、商品企画・開発、販売(営業)まで行うことを考慮しているが、そもそも「そこそこの商社マンでもそれ全部やるなんてなかなか難しい」。特に、営業はとても時間がかかり難しい。スキルも必要。それをすべてやっている農業者水産業者ももちろんいるが、それが全国津々浦々全ての地域(しかも集落単位)でいるわけはない。スーパーマンはそんなにたくさんいない。

なので、地域の商品を、品質含め正しく見極め、良いものはしっかり価値をつけてあるべき販路に販売し、そうでないものは品質向上に取り組みつつ、加工品などに活路を見出す。エリア全体の産業に波及効果があるようなエリアブランディング戦略の立案と実施もやっていく。地域内外の販路の構築や、付加価値の向上(直営レストランなども)そんな機能が地域に求められていきます。事例としては大分県竹田市のあじさい工房や長久手の地域商社、もくもくファームやブドウの樹などが近いと思います。それに、さらなる流通機能の強化やメディア戦略・エリアブランディング戦略が重なることが理想形でしょう。

そのうえで、第3弾としては地域内の経済循環を正しく計測し、さらに地域内の人のつながりを強化する手段としての「まちのコイン(≒地域通貨 ただし現金との互換性はない)」を提案、提供していく。ここまでの戦略・手段はすでに出来上がっているので、その先としては第4弾として「地域課題の発見と解決」を迅速に行う、行政と立法機関を巻き込んだうえでのICT社会の実現まで、頭の中にはあります。ただその部分は既にICTに詳しい人が乗り出し始めているので、その仕組み構築を支援するところまでかなと思っています。

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