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愛を知り、己を知る。
大学4年生の夏、僕はある1人の女性と恋に落ちた。
当時、21年間まともに女性と付き合ったことがなかった自分にとって、
初めての経験だった。初めての一目惚れだった。
彼女いない歴が多すぎて、彼女ができた時のために何をすべきかのシュミレーションを、某メンタリストの動画を見て学んだ。
自分は、絶対に彼女を幸せにできる。
自分はいい男だ、そう思っていた。
しかし、付き合ってみると全く自分はいい男じゃなかった。
嫉妬なんてしない、自由にお互いのペースで恋愛しようと思ってた。
依存なんてするわけないって思ってた。
だが、付き合うにつれ、彼女のことを日に日に大好きになり、
自分の感情に歯止めが効かなくなった。
自分が取るべき行動とは正反対の行動をとってしまっていた。
自分の弱さ、本性が顔を出し始めた。
それから、彼女と付き合い始め、5ヶ月後、彼女から別れの言葉を言われた。
本当に唐突だった。
理由は、価値観の違いだという。
彼女なりに気を遣ってくれての言葉だと思う。
今になって思うと、自分が女性でもあの時の自分の様な男性とは付き合いたくない。
別れの数ヶ月間は、本当に苦しかった。
今までの楽しい記憶が羅列されている手紙、思い出の写真、
駅までの帰り道の風景、その全てを自分の中から消したいと何度思ったことか。
しかし、私は、この経験を通して、自分の内に秘めている弱さ、
人間性を知ることができた。
嫉妬なんてしない、依存なんてするわけない、そう思っていたが、
本当の自分は、独占欲が強く、寂しがりや、俗にいうメンヘラだった。
誰かを本気で愛した時、それと同時に本当の自分を知れる。
恋愛は人を一番成長させると聞いたことがあったが、その通りだと思う。
愛を知り、己を知る。
彼女とのお付き合いを通して、自分を深く知ることができた。
もしいつか、どこかのタイミングで彼女に会うことがあれば伝えたい。
こんな自分と付き合ってくれて有難う。
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