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#お肉仮面
『お肉仮面』 #第三回お肉仮面文芸祭
◇
そいつに出会ったのは、部活帰りの夜道のことだった。
部活帰り、コンビニで晩飯前の栄養補給をすませ帰りのバスを待っているときのことだ。何かに見られている妙な感覚を覚えて、俺は後ろを振り返った。
夜道を照らす街頭の下、そいつは静かに立っていた。背格好や服装はいたって普通だった。だけどそいつの顔は鼻も口もなかった。生肉を貼り付けたかのような模様の顔面に、真っ黒い穴が二つ空いていた。
「こ
特殊殲滅官『お肉仮面』「VSスフィアイアン」 #第三回お肉仮面文芸祭
🥩🥩🥩
引戸が開かれる。
よく冷えた外の空気が入り込む感覚に、銅鑼焼き店『浄土屋』の老店主は顔を上げた。
「……お、いらっしゃいま――ああ、お前か」
「お前か、じゃねえよ。接客中だろ? ちゃんと敬語使えよ」
「どうせお前しか来ないから良いんだよ――『電楽サロン』」
「お客様は神様だぞ?」
「何様だよ、人間の癖に」
申し訳程度にスローテンポな和の音楽が流れる店内、銅鑼焼きを陳列したショ