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「卓上短刀箱」の改良状況①

卓上短刀箱の改良版についても現在設計が終わりこれから加工していく段階です。
変更内容としては卓上刀箱の改良と同様で以下になります。

・全長55cmまでの脇差まで飾れるようになりました
・スポットライトの装着
・刀の出し入れがより簡単に
・映り込み防止
・漆台の取付がオプションで可能に


①全体像はこんな感じです

新卓上短刀箱

今までは全長45㎝以下の短刀のみを飾れるケースを作っていたのですが、意外にちょっと大きい40~50㎝の脇差を飾りたいという要望も多くありました。
確かに新刀の短刀などは大振りですよね。
今回展示内寸法を58㎝まで拡張したので、全長55cm程度までの脇差であれば飾れるようになりました

また従来は刃文を鑑賞する為には外部から光を当ててあげる必要がありましたが、今回からスポットライトが内臓された事で、それをせずとも刃文が見えるようになりました。
調光も可能です。


②刀の出し入れがより簡単になります

また、フロントパネルの開閉は手前に開ける方式になる予定です。
今までは上にスライドして外す方式で本体とパネルが分離する方式でしたので開閉がより楽になると思います。
従来通り鍵が付いています。


③オプションで箔漆の土台が選べるようになる

そしてこちらも要望が多かったのですが、フィールド面には以下のような本漆のアクリルパネルが取り付けられるようになりました。
これはオプション予定です。
見え方としては以下に近くなると思われます。


④フロントパネルの映り込みが激減します

後は反射防止加工が追加されるので、映り込みがかなり少なくなり写真撮影なども容易になります。
以下の穴が空いたように見える箇所が反射防止加工を施している箇所です。
一般的なガラスなどに後貼りするタイプのフィルムとは違い、美術品鑑賞用に使用される質の高い物でこのような透過性があります。
表面に細かな凹凸が付いている為に、その凹凸で乱反射して映り込みが無くなる仕組みです。
しかし指で触れると指紋が取りづらいというデメリットもあるので取り扱いには注意が必要です。
指紋が付いてしまった場合はカメラレンズ用のクリーナーを使えば取り除けます。これは細かな凹凸に手の油が入り込む為です。
そういったデメリットは有りつつも、他の反射防止フィルムと比較しても効果が圧倒的でしたのでこれを採用しました。

穴の開いているように見える箇所が反射防止加工している箇所


⑤刀掛け部変更

刀身重量によりスポンジがずれてしまうという意見があがってきており以前スポンジをより粘着力の強い物に改変した経緯がありますが、それでもズレてしまうと報告があった事から、よりしっかり固定できるものに変更します。
刀掛け部はアルマイト処理をしたアルミに低反発防水スポンジを貼り付けます。刀身接地面に水分が溜まり錆びる、というリスクが低いものである事に加え、地震時などに刀身が跳ねたりズレたりするのを抑えます。


⑥終わりに

こちらも完成は10月末頃になる予定です。
以前の卓上短刀箱をご購入頂けている方に限り、新しい物が欲しいという方がいらっしゃれば、販売価格から以前の購入価格を引いた金額に大幅に割り引いて販売させて頂きます。
(以前の卓上刀箱は返送頂く必要はありません。新しくお作りします)


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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