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鐔鑑賞日記

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#目貫

蝦夷目貫①

蝦夷目貫①

古美濃にも作域が似たような大変薄造りの目貫があり、蝦夷目貫などと呼ばれる。南北朝期の大太刀に付いていたものも多いからか得てして大きめ。
元々は山銅に鍍金することで金ピカであったはずであるが、経年と共に表面が擦れ、返ってそれが1つの味わいとなっている。
四分一地で蝦夷目貫の鑑定の付いたものや、金銅地のものも見た事があるので、山銅と四分一(朧銀)、金銅の3つあるのかもしれない。
尚、四分一が刀装具で現

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古金工 獅子目貫①

古金工 獅子目貫①

古金工とは桃山時代以前に製作されたとされる作で後藤や美濃など特定の流派の極めがつけ難い物を指しており、言わば作者不明の金工郡の事を指しているようである。

この目貫もまたそんな作者不明の物で、桃山時代頃の物とのこと。

古金工 一匹猿金目貫①

古金工 一匹猿金目貫①

やってしまった。

以前から欲しいなと感じていた物の1つを今日遂に買ってしまいました。

以前ブログに載せてから売れないか1人ヒヤヒヤする気持ちもあったが、刀座などのイベントもあったのでそんな気持ちを抑えつつ様子見をしていた。
刀座では良いなと思った品はあれど、欲しいと思えるまでの物は結局見つからず何も買わずに撤退。
その後改めて欲しい物の中から吟味に吟味してやはり中でもこれが一番欲しいという事で

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野晒目貫(大月派)②裏行の観察

野晒目貫(大月派)②裏行の観察

刀装具に興味を持ち最初の目貫である表題のものを買ってからはや8か月が経った。当時は表の意匠ばかり見ており、裏をあまり見ていなかったので今回は裏行を観察してみる事にする。

①についてはこちら↓

①表目貫の裏陽根は素銅で出来ている。根の根本がどのように接着されているのかは分からないのだが、一体化しているように見える事から全周を溶接するような事をしているのかもしれない。
また陽の太さは直径3.5mm

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古美濃の龍目貫を見て気づいた特徴

古美濃の龍目貫を見て気づいた特徴

龍の目貫と言えば後藤家の龍を思い浮かべる方も多いかと思います。
中でも初代祐乗の評価は昔から頗る高く、後藤家は御家彫としてその後17代まで時の権力者のお抱え金工として高度な技術を引き継いできました。
題材は多岐に渡りますが、龍や獅子は後藤家を代表する題材の一つになっています。

一方で後藤家に負けず劣らず彫が繊細で素晴らしい(と個人的に思っている)一派が「古美濃」と呼ばれる金工です。
美濃国は現在

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