国際人の私がおすすめするフランスのコメディ映画3選
部長の森です。今回は少し脱線して、私の好きなフランスのコメディ映画をご紹介します。
外国の映画を紹介するなら、たぶん、国際感覚は必須。
まずは、私が国際人であることを証明するところから始めてみたいと思います。
【国際人の証明 episode1】
新婚旅行で、インドネシアのバリ島に向かっていた時のことです。
私たちを乗せた飛行機は、いったんジャカルタでトランジット(燃料を補給するなどのために着陸)しました。バリ島到着予定時間から逆算すると、待ち時間は1時間ほどのはずです。
私たちは、空港内のトランジットルームでルンルン気分で待っていましたが、3時間たっても4時間たっても音沙汰ありません。
いくらなんでも時間がかかりすぎだよね。機体の調子が急に悪くなって、飛行機を取り替えたりしてるのかなあ、などと新妻と話しているうちに、スタッフに聞いてみようということになりました。
新郎のすごい英語力を見せるチャンスがやってまいりました!妻よ、見るがいい、私の勇姿を!
さっそく空港のスタッフをつかまえ、静かな怒りを込めつつ、流ちょうな英語で私はこう言ったのです。
「ヒコーキ、Change?」
スタッフは、無言で私を見つめています。
ああ、この人は英語がわからないんだなと察した優しい私は、スタッフとの会話を打ち切り、真っ赤な顔をして肩をプルプルと震わせている妻を優しく抱きかかえるように、そっとその場を後にしたのでした。
国際人たるもの英語ができなくては話になりません。しかし、英語がしゃべれるだけではいけない、現地語もある程度は話せたほうがいい。そう思ったのです。
あれからずいぶん長い年月が過ぎ去りましたが、今でも、時々妻は「ヒコーキChange? ギャハハハッ」と笑っています。
どゆこと?
【国際人の証明 episode2】
以前に住んでいたマンションの隣の部屋には、大韓民国総領事館にお勤めの方がいらっしゃって、旅行のお土産を贈りあったり、幼稚園に通っている娘にもいろいろと優しいお言葉をかけてくださったり、とても仲良くしていました。
そんなある日のこと。私たちは、すごい夫婦ゲンカを始めてしまったのです。
なんでケンカになったのかは覚えていませんが、怒鳴りあうわ、物は飛ぶわ、なかなかのものでした。
すると、心配になった娘は、私たちが知らないうちにお隣に助けを求めに行ったのです。
我が家を訪ねてくださったお隣の旦那さんは、かなり緊張したご様子でしたが、さすが、外交関係のお仕事をなさっているだけあって、紛争の調停はお手のものだったのでしょう。
「だ、だ、だ、大丈夫ですか?」
「ご、ご、ご、ごめんなさい。」
このようにして、夫婦が激しく対立した事件は徐々に収束に向かい、日韓関係もより深い絆で結ばれていったのです。
【国際人の証明 episode3】
ずいぶん前のことですが、ある会社で数ヶ月間アルバイトをしていたことがあります。働き始めてしばらくすると、20代後半のイラン人が働くことになりました。
名前はケーワン。彼は、イランのレスリング大会で準優勝したこともあるムキムキの男でした。
なんだかヤベー雰囲気の人だなと思っていると、上司が私に「ケーワンと二人チームでお願いね」と言うではありませんか。
「森さん、よろしくデスダヨ~」
めちゃめちゃフレンドリーで日本語も流ちょうでしたが、どこで覚えたんだ「デスダヨ」って。
二人で助け合って仕事をしているうちに、ケーワンとは一緒に飲みに行くほど仲良くなりました。
居酒屋で、料理に豚肉が入っていた時のことです。イスラム教って、豚肉だめなんだよねと聞くと、「だ~いじょうぶデスダヨ。美味しいデスダヨ」と言っていました。柔軟な奴です。
彼の恋の悩みも聞いてあげたことがあります。
「森さん、ワタシ、イランの恋人に会えなくてさみしいデスダヨ。結婚したいデスダヨ。」と涙ぐんでいるのです。
頻繁に電話してあげて、なるべく早く帰ってプロポーズしたらと話したら、「そうデスダなあ」と言っていました。
私がアルバイトをやめて、数ヶ月たったある日、ケーワンがイランに帰ったという噂を聞きました。
その頃からです、夜中の1時2時に無言電話が頻繁にかかってくるようになったのは。妻とも、なんだか怖いねと話していました。
あ、また無言電話だと思って、怒りを込めて「あんたは誰だ」と聞くと・・・
「ザーザーザーデスダヨ ザーザーザー」と言うではありませんか。
「ケーワンさん?」
「そうデスダヨ、ひさしぶりデスだなあ ツーツーツー」
電話が切れました。
このようにしてイランとの深い親交も確認できたのです。
インドネシア、韓国、イランを股に掛けた私の大活躍が、なんだか自慢話のようになってしまいましたが、私が真の国際人であることは十分にご理解いただけたかと思います。
前置きが長くなってしまいました。
それでは、おススメのMoviesをプレゼンテーションさせていただきます。
最強のふたり(2011年)
フランスでは3人に1人が観たという、実話を元にしたヒューマンコメディーです。
事故で首から下が麻痺した大富豪フィリップは気難しい人で、介護人を雇っても、なかなか長続きしません。そこで、フィリップは秘書と一緒に新しい介護人の面接をします。
応募者が一様に口当たりの良いことをいう中、筋骨隆々の黒人男性ドリスは、いきなりフィリップに「不採用にしろ。失業手当がもらえる。」と言い出します。彼は、不採用の証明書が欲しかったのです。
画像をクリックすると、YouTubeでご覧いただけます↓↓↓
へそ曲がりのフィリップは、周囲の反対を押し切ってドリスを採用します。
大富豪フィリップとスラム街出身のドリス。知的な会話と下ネタ。クラシックとファンク。何から何まで違いすぎる二人でしたが、徐々に友情が生まれていきます。
笑いあり涙あり。セザール賞主演男優賞を受賞した作品です。
シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜(2012年)
超高級三ツ星レストランのベテランシェフ、アレクサンドル(ジャン・レノ)はスランプに陥ってしまい、次の審査会で三ツ星を守れなければクビという大ピンチ!
そんなある日、老人ホームで暮らす友人に会いに行ったアレクサンドルは、勧められてスープを飲みますが、あまりの美味しさに誰が作ったのかと聞きます・・・
「あのペンキ屋だよ」
ペンキ屋のジャッキー(ミカエル・ユーン)は、優れた舌をもつ若手シェフでしたが、生意気な性格のせいで何度もクビになり、ペンキ塗りのアルバイトをしていたのです。
そして、アレクサンドルはジャッキーを助手に迎えます・・・
お洒落で笑えて、気軽に楽しめる作品です。
最高の花婿(2014年)
フランスでは、5人に1人が観たという大ヒット作です。
ロワール地方シノンで暮らすヴェルヌイユ夫妻には、4人の娘がいました。
敬虔なカトリック教徒である夫妻の悩みは、上3人の娘の結婚相手がイスラム教徒、ユダヤ教徒、中国系の男性だったこと。家族全員が集まった食事会でも、父クロードは、人種差別的な言動を繰り返していました。
末娘だけでもフランス人のカトリック教徒と結婚して欲しい、と二人は心から願っていたのです。
翌年のクリスマス休暇の時のこと。
家族全員がシノンの実家に集まりますが、すったもんだしながらも、婿たちの努力で、頑固だったクロードも徐々に心を開いていきます。
そして、嬉しい知らせが・・・
末娘のロールが、シャルルという名前のカトリック教徒と結婚することにしたというのです。夫妻はとても喜び、レストランで初顔合わせをしますが・・・
一家に平穏が訪れる日は来るのでしょうか?
人種、宗教、食生活などの違いをユーモラスに描いた作品で、思い切り笑えて、そして感動します。
最後までお読みいただき、メルシー