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【かすみを食べて生きる 3 HCU①】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症1日目:HCU1日目
夜明け前、救急外来からHCUに移動。医療的な管理下に置かれた。
食事をできない生活が始まった。

<発症1日目:救急外来   発症2日目:HCU②>


入院初日

救急外来から病棟に移り、まずはじめに入った部屋がHCU(High Care Unit)だった。
恐らく明け方4時頃ではないかと思う。
そこで片腕に点滴、もう片方には血圧計(時間が来ると自動で血圧を測る)が繋がれた。鼻に酸素チューブをつけられ、身体にいくつかの電極をつけられた。
枕元にはモニターが常にピッピピッピと音を立てていて、何かしらの値が閾値を超えるとピコンピコンと音を立てる。
私の身体は24時間管理となった。

頭を動かすとクラクラして起き上がれない。唾液か痰かわからないものがどんどん出てきて、ティッシュに吐き出さなければむせてしまう。
むせるにしてもなぜかうまく咳き込めず、息ができずにベッド上で溺れた様になってしまう。
(咳ができなくなっていたことに気づいたのは、少し咳込めるようになってからだった。)
そして声が出しにくい。
吐いた時に喉をやられたのだと思っていたけど、どうもそれだけではない。
寝起きは呂律も回りにくく、看護師さんに言いたい事がうまく伝わらない事があった。

朝が来た
他の患者さんに朝ごはんが運ばれている事で朝になっていることがわかった。
どうやら私の朝ごはんはない。
自分が今食事を摂れる状況にないことはなんとなくわかった。

CTを撮りに行く

といっても動けないのでベッドごとCT室まで運ばれる。
しかしいざCTの検査台に移乗したところで激しくむせてしまい、頭が動き気持ちが悪くなってしまい、検査は延期になった。
その後主治医となった町田先生(仮)がベッドまで来てくれた。
昨晩救急外来で画像を見てくれた先生とはまた違う脳外科の先生。

これからいろいろな検査をして病状を確かめていくけど、今の治療としては脳を守る薬を使いつつ、血圧をコントロールすることが一番重要となる、という様な話だったと思う。

スマホは通話以外OK

夕方夫が病院に届けてくれたという荷物を受け取った。
起き上がれないので看護師さんが荷物を開けスマホと充電器を取り出してくれた。
通話はだめだけど使用はOKとのことで、必要なものがあれば自分で家族に連絡を取って持ってきてもらう様にとのことだった。
夫に荷物のお礼のメッセージを送ったが、スマホを見るのはしんどかった。

それでも尿意は来る

身動きが取れず、飲むことも食べることもできない身体には、常に点滴で水分と栄養が送られる。
一口も飲んでいないのに、頻回に尿意はくる。
HCUは男性看護師さんが多かった様に思う。
ここでも女性の看護師さんがくるタイミングを狙っておむつ替えをお願いした。

入院初日、結局検査もできず、唾液や痰をひたすら出しながら、身体の状態が落ち着くのをただただ待つ事しかできなかった。


ーーー振り返って

今思えばかなりしんどい状態だったけど、しんどいことがよくわかってなかったような気がします。
しんど過ぎてまだ「食べれない」ことについて深く考えれる状態ではありませんでした。

HCUでもスマホ使える事と、これだけしんどくても「今病棟のティッシュを借りてるから持ってきて」などの家族への連絡は自分でする、という事に少し驚きました。


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