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【かすみを食べて生きる 43 リハビリ病院1か月目⑳】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症1か月と10日目:リハビリ病院20日目
・食事:嚥下訓練中のため、食事は鼻からの経管栄養。水分はスプーンの半分程度を一度に10口まで飲むことが許されている。
・状態:歩けるようになってきた。終日、館内フリー歩行自立。階段は上り下りでめまいがする。
・嚥下:嚥下訓練中。首を左に向ければ1~2mlの水を飲み込める。

食事訓練をかけた嚥下造影検査の前日。
いろんなもんが来た。

これまでのお話はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症1か月と9日目:リハビリ病院1か月目⑲
 
発症1か月と11日目:リハビリ病院1か月目㉑>


打率6割が来た!

コロナの感染対策で延期されてきた嚥下造影検査がいよいよ明日となった。
結果によって、今の段階で食事訓練に入れるか入れないかが決まる。
この検査に向けて私は嚥下の自主練として、1mlの水分を10口飲んで何回スムーズに飲みこめるかの記録を取っている
10回中のうまくいった回数が打率となるシステム。

  • 2日前AM 5割

  • 2日前PM 2割5分

  • 1日前AM 4割

  • 1日前PM 5割

  • 本日AM  4割

  • 本日PM  6割

やった!打率6割が出た!!
お茶からお水に変えたら確度が上がった。
水の方が飲みやすいのかもしれない。
また飲んだ後に咳ばらいをすることで、のどへの残留感を緩和できて、のどに結構残っている際はこの咳払いでむせて出すことができる。
一口の嚥下回数は2~3回。1回では通らず追加で嚥下する。
2回で飲めることも多くなってきた。
仕上がってきた感じがする。

シャンプーが来た!

シャワー浴が自立になり毎日お風呂に入れるようになったが、退院のめどはたっていない。
シャンプーは旅行用を使っていたけど、底を尽きてきた。
この先何回ここのお風呂にお世話になるかまだわからない。
そこで家族に頼んで、新品のボトルシャンプーとトリートメント、洗顔を持ってきてもらった。
いよいよここでの生活が日常化してきた。

お風呂バッグがほしい

田中(仮)が来た!

私は学生時代から月経による不調がある。
始まる1週間前くらいからメンタルがぼろぼろになり、始まって3日くらいは痛みと気持ち悪さで動けなくなる。
あまりに月経がつらすぎるので、少しでも印象をよくするために月経に「田中(仮)」と名付け擬人化し、長年つきあってきた。
そして脳梗塞発症後しばらく来ていなかった田中(仮)が、何の前触れもなくさっき来た。
来ること自体は身体の回復を意味しているからそれはいい。
でも、なぜ今。
明日やっと嚥下造影検査が受けられるというのに。
明日の夕方でもよかったのではなかろうか。

やさぐれて、夜の自主練は返上してのんびり過ごした。
ベッドで一人でいると気持ちが落ち込んできたので、20時ころからデイルームにでかけ、そこに毎晩集っている患者の山村さん(仮)たちとおしゃべりをして過ごした。


ーー振り返って

わかりにくい嚥下訓練の変化をとらえようと、10口の嚥下訓練で何回成功が出るかを自分で評価する試み。
意外とはまって、これまで超えれなかった6回の壁を越えれたときはうれしかったです。
この後もどんどんできるようになったという感じではなく、うまくいく時といかない時を行ったり来たりしながら、少しずつ壁を越えていくことを繰り返しました。

シャンプーが来たときは、リハビリ病院の住人になったことを感じました。
このシャンプーがなくなる前には家に帰りたいと思いました。

私の田中(仮)こと月経。
担当の理学療法士さんのお名前も田中さん(仮)。
初めてお会いした時に「田中…」と思ったのですが、しばらく言えず。
今回田中(仮)が来たことで田中さん(仮)にも「すみません!実は月経を田中(仮)と呼んでます。そして昨日田中(仮)が来ました(泣)」と報告しました。
笑ってくれて、その日の理学療法のリハビリは手加減をしていただきました。
数年たった今も、田中(仮)が来るたびに理学療法士の田中さん(仮)を思い出し、体幹トレーニングをせなあかんなと思います。


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