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コルクラボマンガ専科7期・卒制連載感想

コルクラボマンガ専科って?

22年10月から私はコルクラボマンガ専科という半年間のweb講座を受けています。
時系列的には前後しますが、今日はそこの卒業制作課題32Pの作成を通じて考えたことをまとめたいと思います。
(持ち込みの日々についてはもちろん継続してまた書いていきます!)
コルクラボマンガ専科についてはリンク先↓

漫画家のプロ志望者に絞った半年間の講座です。
漫画を描いてみたいな、絵が上手くなりたいな、という人向けではありません。
SNSに完成作品を3本以上発表していることが条件ですので、漫画は描けるのが前提です。
同期の中にもすでにデビュー済の商業経験者、紙書籍を出している方もいますし
プロのイラストレーターさん、コミカライズやwebtoon系でお仕事されてる方もたくさんいます。
コルクの講座そのものに関してはまた時系列を追ってお話したいのですが、
今回は作品制作とそこで考えたことに絞ってお話します。

表現したいお話を実感した

昨年は6作(少女、TL、エッセイ、BLショート、シリアス女性向け、異世界ショート)の完成原稿とネーム3本(少女、TL、少年向ラブコメ)あとは1枚エッセイをいろいろと描きました。
ジャンルもバラバラ、描く作品の基準は「仕事になりそうかどうか」です。
この中で自分で他の作品と決定的に違うと感じた作品がひとつ。
LGBTQ+を取り扱った「今日は、亜夢の日。」です
この話はセクシャルマイノリティの話であり、なおかつセクシャルマイノリティのコミュニティの中でもマイノリティになってしまうために、
Wマイノリティとして孤立しがちな「Q+」の二人のお話です。

性別の自認が揺らぐXジェンダーの子と
恋愛相手を性別で選べないパンセクシャル(全性愛者)の二人のお話です。

この話は持ち込みでも評価は悪くはなかったのですが、理解されづらい、一般の人に共感が得づらいなど、お仕事には繋がらなかったものです。
ただツイッターに一括アップした際には27万インプレッション、1600いいねをいただき、当事者の方からたくさんの暖かな反応をいただきました。

このお話は自分の体験や身近な当事者のエピソードをベースに作りました。
キャラの感情を描きながら、何度もボロボロ泣いたのを覚えています。

最初に描き上げた少女漫画も、今回コルクラボマンガ専科で制作した話もそうなのですが、私は「自己肯定」が描きたいんだなということを自覚しました。
★少女漫画は「明るいけれど自分を卑下しがちな女の子が本気で勉強を頑張って自信をつける」
★LGBTQものは「性別違和のある子が全性愛者と出会い、理解と居場所を得る」
★卒業制作は「人と違う身体的特徴を持つ女の子同士が特徴を認め愛し合う」
つまり描きたいのは「私は私のままでいいんだ」「変えられない自分の特徴を認め愛す」というお話だということがはっきりわかったのです。
卒業制作の作品は久々にまたボロボロ泣きながら描いた作品でしたが
今回は萌えと排出のバランスを以前よりは調整したつもりです。

今回の卒業制作で描いたお話はこちらです

このお話の元になったエピソードはこのツイートにあります。

マンガ専科の授業で、主宰で有名敏腕編集者である佐渡島庸平さんに
「持ち込みでマイナーな社会問題系は商業ベースに載せるのは難しいと言われたのですが、そういう題材は避けたほうがいいのでしょうか?」と聞いてみました。
回答は「それは題材の問題じゃなくて、それを扱いきれているかどうかだ」ということでした。
すごく腑に落ちました。
まだ私には扱いたい題材やメッセージを、誰にでも共感できる感情に乗せて説得力を持って届けることができていないだけなんだな、と。
私にとってはこのメッセージを描くことが漫画描きとしての「ライフワーク」なのだなと実感したのでした。

ライフワーク?ライスワーク?

少し話は変わりますが、コルクラボマンガ専科の授業ではzoomで同期の仲間とお話する機会を設けてくれています。
いろんな立場の仲間とお話できてとても楽しいのですが、そこで「描きたいこととお仕事の絵」の話になりました。
ひとの体験談などを漫画にして描くお仕事や広告案件、原作付きの作画やwebtoon分業のお仕事などは、自分の物語を届けることではないけれど漫画のお仕事。
これを受けてみたけれど苦痛で今は断っているというプロの漫画家さん。
その方は売れっ子ですから本当に描きたいお仕事を選べるのですが、
私はプライドも絵柄もジャンルもなりふりかまわずな状態です。
自分の絵で稼げるならばなんでもやりますよー!という私に、よく割り切れるねえ、と言われました。


絵柄もジャンルもこだわりなし!絵でお仕事が取れるならなんでも描きます!

言われてみれば、私はその辺でストレスを感じたことはないのですが、
これはなぜなんだろう?と考えてみたところ
ライスワーク(収入源としてのお仕事)も私は絵でやりたいだけなんだなあ、ということに気がつきました。
自分の作品として描きたい漫画を描きながら(ライフワーク)会社に勤めたりほかの自営のお仕事(ライスワーク)をされている方もいますよね。
わたしはライスワークも絵でやりたいわけで、そうなると仕事を取れるなら絵柄もジャンルや流行りに寄せることをしますし、仕事の種類にもこだわりません。
漫画、作画、エッセイ、広告漫画、挿絵やイラスト…なんでも絵のお仕事なら大歓迎です。

数年前に手がけた小学校の教材の挿絵。
以前こういうお仕事をしていた関係もあるのかもしれないですね。


表現したいメッセージを漫画にしたい思いはありますし
これを手放すことはありませんが、
現状自分の作品を商業ベースにのせるクオリティにはできていないなと痛感しています。
どこかでライフワークの作品をじっくり一緒に作って商業ベースでやろうと言っていただける会社さんがあればもちろんベストですが、そのためにはそれだけの技量を身につけて作品の形にしなくてはなりません。
現状の作品ではそれはあまりにも白馬の王子様を待つようなお話ですから、
私はライスワークで漫画を描きながら画力を上げ、自分で勉強を続けてライフワークを作品としてまとめられるように努力していきたいと思っています。
それがいつの日か幅広く読んでいただけるような形でみなさんに見ていただけたら最高ですし、そのために漫画の表現をこれからも勉強していきたいと思っています。

今回卒制の原稿を描きながら自分のスタンスを見つけることができてよかったと思います。
また同期のさまざまな個性、ジャンルの連載作品が毎週楽しみに読めて、なおかつそのフィードバックを提出した全員分聞けたのはとても参考になりました。
先生方や同期のみんなにも感謝しています。

コルクラボマンガ専科につきましては、今後の過去の記録記事や1ページマンガの作品をnoteで投げたり、卒業後にまとめた記事も書きたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願い致します。


私の名刺の裏面です。ジャンル節操なし!笑

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