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春日華子の「性」なる日記 わかってる

「大好き。ずっと我慢してたけど言う。」
「我慢なんかしていたの?俺も好き。」
「アキラ君大好き。」
「俺もヨウちゃんが好き。」

文字も飛び交えば、東京で会えば言葉が飛び交う。

吸い込まれる薄茶色の瞳。
息ができない。
会うと「好き」が私の肺をつぶしていく。
深海に一人沈むように少しの明かりだけがさす気持ち。
深呼吸していると
「どしたの?」笑いながら聞いてくるアキラ君。
ばれているのはわかっているし、隠しようがない。

アキラ君は一緒に歩いていても恋人的なことは嫌いだ。
背の高い彼の後ろをちょこちょこついていき、上を見上げながら
会話をする。
わかってる。
わかってる。
つかの間の幸せをお金で買っている。

はじめてアキラ君と外の景色を歩いた。
ベットの中ではなく、外の空気が誘ってくれる
その会話はとても自然で初めて恋心で会話ができた日だった気がする。
片思いを飛び越えたような錯覚。
わかってる。
シンデレラの時間は決まっている。
彼は私を探しには来ない。ガラスの靴は取り残されたまま風化してゆく。

わかってる。
いつかは終わりが来るお金の関係。

でも、好きと言われたらどうしようもない。
沼に沈んでゆく自分をわかっていてもわからないふりをして過ごした。

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