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新刊速報【2023年9月版】|柏書房営業部通信

 柏書房営業部です。知名度や認知度を上げるにはどうすればよいのか絶賛悩み中の当社ですが、事業を続けて今期で54年目に入るそうです。54年目ということで、気の利いたことのひとつでも書いてみようと思い立ちましたが、何も思い浮かびませんでした、すみません。さて、今月の柏書房の新刊は2点です。謝るとは何することなのか? いざ問われると説明の難しい謝罪の全体像に迫る『謝罪論』、教科書には載らない知られざる武将たちの大活躍を描く『どんマイナー武将伝説』です。


『謝罪論』

古田徹也 著

【営業担当・里村から一言】
 
某中古車販売・買取会社の謝罪会見をすこし思い出してみてください。

「天地神明に誓って知らなかった」
「そんなことをやるのかと愕然とした」

 そう他人事のように嘯く前社長の姿はきっと皆さんの記憶にも新しいことでしょう。「愕然とした」なんていうのは、こっちのセリフだ! そう突っ込んでしまいそうです。しかし、こうしたヘンテコな謝罪を目にしたり耳にしたりする機会が少なくありません。不祥事を起こした政治家が言葉を濁して煙に巻く謝罪会見、炎上したYouTuberなどによる収益化された謝罪動画……。モヤモヤの晴れない、それどころかますますモヤモヤするような謝罪、皆さんも思い当たる節があるでしょう。そういう場面に出くわすたび、(やれやれ、なんだそれ) と思ってしまうのは私だけじゃないハズ。
 とまぁ、他人の謝罪についてとやかく批判的に書きましたが、そういう私自身はきちんと謝罪ができているのでしょうか? もちろん、そのときどきできちんと謝ってきたつもりではあるのですが、それらがはたして「適切な」謝罪だったと言えるのかについては正直なところ自信がありません。そもそも「適切な謝罪」って何なのでしょうか? 幼い子どもと接するようなときなど、私は彼ら/彼女らに、謝るとは何をすることなのか教えられるでしょうか。皆さんにもお聞きします。謝るとは何をすることなのですか? それを子どもに教えられますか?
 答えに詰まる貴方にぜひ読んでいただきたい1冊。それこそが、現在目覚ましい活躍を見せている哲学研究者・古田徹也が贈る新刊『謝罪論――謝るとは何をすることなのか』です!! 本書はオースティンの言語行為論やアーレントの公共哲学、さらには法学、言語学、社会心理学、社会学など、いくつもの分野を縦横無尽に越境しながら謝罪とは何かを明らかにします! とはいえ、決して難解な本ではございません。満員電車のなかで他人の足を踏んでしまった事例から悪事をしでかした者による被害者への謝罪、医療過誤や戦後責任をめぐる謝罪にいたるまで、さまざまな具体例を取り上げながら、「責任」「後悔」「償い」「赦し」「当事者」「誠実さ」といった謝罪をとりまく概念にも触れつつ、著者と共にひとつずつ丁寧に謝罪の全体像を紐解いてゆきます。
 本書には登場しませんが、奇しくも著者の専門であるウィトゲンシュタインをフランスに紹介したアドは、哲学の本来のあり方を生き方に直結するものとして捉えました。人間というのは否が応でも過ちを犯し繰り返す存在であるが故に、謝罪を避けては通れません。だからこそ、謝るとは何をすることなのか一緒に考えてみませんか? 本書は、そのよすがとなること間違いなしです!

※本書のプロローグや本書刊行記念イベントやフェア情報は下記の記事よりご覧いただけます

『どんマイナー武将伝説』

長谷川ヨシテル 著

【営業担当・荒木から一言】
 あなたの地元で推しの歴史的人物は誰ですか? 生まれも育ちも茨城の私は水戸黄門一択! とこれまで申してきましたが、この本を読んで、茨城の歴史的英雄は水戸黄門だけではなかったことを知りました。
 今で言う「○○レンジャー」のような、5色の戦隊ヒーローが、戦国時代にも存在したそうで、なんとその「ブルー」が茨城を担当していたというのです……! 日本の発展に大きな影響を与えた人物が自分の地元にもいたと知ると、誇らしくなりますよね!
 れきしクン第7作目となる本書では、そんなとことん「マイナー」だけど、まちがいなく日本史につめ痕を残したり、今でもご当地で愛され続けたりする40名以上の武将たちを紹介します。御年93歳の、関ヶ原への参戦も囁かれた弓の達人、福島県民も知らない「福島県」の名付け親、「日本」と名乗り山陰を席巻した海賊王……教科書には載っていないけど、その姿はどろくさくて、カッコイイ……!
 きっとあなたも、気づけば ”どんマイナー武将” の虜になっていることでしょう。

 『謝罪論』『どんマイナー武将伝説』はともに9月22日(金)の配本予定です。

 来月の新刊は2点を予定しております。それではまた次回もよろしくお願い致します。


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