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新刊速報【2024年4月版】|柏書房営業部通信
柏書房営業部です。寒さが消え東京は今年も春がきました。春と言えばみなさん何を想像しますか。開花、冬眠明け、新生活……突然きかれるとステロタイプな回答しかなかなかできないものです。さて、柏書房の今月の新刊は2点。動物学者がもしエイリアンがいたとしたらその姿や生活スタイルがどのようなものになっているのかを科学的に考察する『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』、かつて科学者になる夢をあきらめた著者が、憎んでいた科学と「和解」し、女性の観点から科学を見つめ、科学の観点から女性の体と経験を理解しようとした思索の軌跡『神秘的じゃない女たち』です。
『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』
![](https://assets.st-note.com/img/1711433031660-Jggnfe2hAS.jpg?width=1200)
アリク・カーシェンバウム 著
穴水由紀子 訳
【営業担当・荒木から一言】
からだは緑色で、瞳は大きく、タコのようにたくさん足が生えていて……どうして私たちはエイリアンを特定の形で想像してしまうのでしょう。
宇宙のどこかに生命が存在していることがいよいよ確実になってきましたが、“ケンブリッジ大学の動物学者” が想像するその姿は、これまでSF映画で語られてきたどのエイリアンとも異なります。
そもそも、なぜ地球には生命が誕生できたのでしょうか?
そのプロセスを理解することが、ほかの惑星の生きものたちを想像するうえで役立たないはずがないのです。エイリアンが、宇宙という巨大な母体から生き別れた「兄弟」だと考えられたら、住んでいる惑星に関わらず、私たちは姿かたちの異なるもっと多様な生きものを受け入れられるようになるのかもしれません。
リチャード・ドーキンスも賞賛した新感覚科学エッセイ、待望の邦訳!
『神秘的じゃない女たち』
![](https://assets.st-note.com/img/1711433645081-3LKzcx14KR.jpg?width=1200)
イム・ソヨン 著
オ・ヨンア 訳
【営業担当・見野から一言】
神秘的じゃない女たち……小説のような美しいタイトルですが、こちら、5月新刊の科学エッセイ集となっております‼
科学はこれまで客観的・普遍的・中立的であることを装いながらも、基本的には男性の身体や経験を基準として発展してきました。そこでは女性の身体や経験は、「神秘」という言葉のもと、排除されたり無視され続けてきたのです。(科学界、特に理工系の男女比の不均衡なども、その延長線上にある問題でしょう。)
本書は、そんな科学のあり方に切り込んでいきます。「科学にかけられた『神秘』という呪いを解いて、科学と女性、お互い良き友だちとして、一緒に歩んでいこう!」……そんな力強いメッセージが込められた1冊になっています。
内容は、とても具体的で、また衝撃的!
とりわけ私が驚いたのは受精に関する事実! いままでの思い込みを完全に覆されました!(ぜひ実際に読んでみてください。)
他にも、卵子凍結はあるのに精子凍結がないのはなぜか……とか、アシスタントロボットはなぜ「女型」でつくられるのか……とか、「物理学は性差別的であるか?」といった考えたこともないような問題提起がなされています。これまでの固定観念をぐるんとひっくり返してくれるような、爽快感ある読み口となっております!
学生の頃はすべての理数系科目を目の敵にしていた私も、この本を読んだら、科学とちょっぴり仲良くなれたような気がします。
韓国では第6回「書店員が選ぶ今年の本」(自己啓発・経営、経済、科学部門/韓国書店組合連合会発表)にも選出されており、韓国文学好きの読者さんに限らず、目利きの書店員さんも大注目の本書。桜色の表紙も春にぴったり! 新学期の通勤通学のお供にぜひ、いかがでしょうか?
『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』は4月10日(水)、『神秘的じゃない女たち』は4月24日(水)の配本予定です。
新人、再び……
昨年に引き続き今年も柏書房に新人が入りました。ご挨拶をお送り致します!
はじめまして。
4月1日より柏書房株式会社営業部に加わりました、髙橋広野と申します。
まずは簡単に自己紹介申し上げます。
氏名:髙橋 広野(タカハシ コウヤ)
誕生日:1999年11月18日(24歳)
出身:神奈川県茅ケ崎市
趣味:読書、弾き語り、ペタンク(鉄球を投げる南仏のスポーツ)
好きな作家・作品:G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
川上弘美さん『龍宮』
石川雅之さん『もやしもん』
幼いころ、まだ文字が読めるようになる前から、母に読み聞かせをしてもらっていました。読んでもらうための絵本を本棚から引っ張り出しては、母のもとに持っていっていたようです。それが私と本との出会いでした。
それ以降、人生のどの瞬間においても、私の傍らには本がありました。本は、新しい世界への入り口であると同時に、不安を忘れさせてくれるお守りのような存在でした。
たとえばある旅行中、交通事故に遭って動揺していたとき、近くに古本屋を見つけ、店頭ラックに並んでいた本の背表紙を眺めて、心が静まったことがあります。ここではないどこか他の世界への入り口が、そこに確かにある、そのことが心を落ち着かせてくれたのだと思います。
本を入り口に、人は、騒がしい今・ここを離れて、静かに、ゆっくりと、遠くの風景に魂を旅立たせることができます。そうした時間は、人の心にとって、欠かすことのできないものなのではないでしょうか。
SNSを使って、皆が自分の生活を公開し、遠くの誰かの生活を簡単に覗けるようになった現代では、情報の量と速度のあまりの大きさに、かえって、ひとつひとつの情報と向き合う時間を持つことが難しくなっているのかもしれません。
だからこそ、本をひもとき、ここではないどこかに思いを馳せ、あるいは誰かの生に向き合う、ゆっくりとした時間を持つことが、ますます求められるようになってきたように思います。
柏書房の本には、ここではないどこかに読者を導くものや、誰かにとって切実に響くもの、誰かの魂を癒すものがあると信じています。
そうした柏書房の本をお届けすることで、少しでも多くの読者の方に、かけがえのない時間を過ごしていただけるよう、全力を尽くして参ります。
分からないことだらけの若輩者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
平均年齢がまた下がりました。新刊ともどもよろしくお願い致します!
来月の新刊は3点を予定しております。それではまた次回もよろしくお願い致します。
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