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SaaSサービスのプライシングにおいて重要な従量課金軸

はじめに

 今回はマーケティング要素としても非常に大事な要素である料金、プランの中に潜む従量課金に関して語っていこうと思います。
 広告業界だとサービス資料の作成をプランナーや広告企画の担当者が作っているかと思いますが、スポットの案件が多く、更新に関してもQに1回、半期に1回変更という形が多いと思います。
 SaaS業界だと、本当に多いところは月に何度もプランを変更することもありますし、プロダクトを提供して利用料として継続的、持続的に収益をあげるビジネスモデル上、従量課金の軸が非常に重要になってきます。
 弊社の場合は、PMM(プロダクトマーケティングマネージャ)チームというプランやプライスに集中する部隊を設けておりますが、他社のSaaS企業においても同様の職種を配置するなど、マーケティング4P要素のプライスという概念はSaaS業界では非常に注目されており、力を入れている領域だと思います。

SaaSサービスの従量課金軸比較

 さて、では各SaaSサービスがどういった従量課金軸で構築されているのかを見てみましょう。あまりSaaSサービスのプランは開示されてるものでは無いので、ネット検索で分かる範囲で国内、海外、対象領域(攻めている領域)の3軸を意識しながらプロットしてみました。

 それぞれ領域ごとに従量課金のポイントが異なるように見えます。

労務→全社員に必須な業務内容で、社員数に依存
マーケ→サービス規模に応じて負荷が高く、トラフィック、DBサイズに依存
セールス→セールスオペレーションの一元化、営業人数に依存
経営管理→全社員に必須な業務内容のため、社員数に依存
法務→貴重情報、人材のため、アクション数・時間に依存
採用→貴重人材のため、アクション数に依存
コミュニケーション→全社員に必須な業務内容で、社員数、DBサイズに依存

 と、各領域によってペインポイントから導かれる項目に依存して従量課金ポイントが設計されているように思えます。機能制限、CSなどのコンサルティング系のアップ、ダウングレードは上限下限が機能のON/OFF、人的工数の制限があるため、従量課金ほどの影響値は大きくないので、SaaSビジネスにおける顧客単価への影響値はここのポイントが非常に高いと思われます。

従量課金を成功させるための3つの軸

 上記の点から察するに、従量課金の軸を決めるためには下記の要素が必要だと思われます。

 基本的には狙っている・所属している領域で解決する課題に応じて従量課金軸は変わってきます。
 対象職種の絶対数が多かったりする(セールス、労務、経営管理、コミュニケーション)とオペレーションフローやコミュニケーションコストを削減する目的が大きいのでユーザーアカウント数の場合が多いですね。DBとの組み合わせもありだと思います。
 マーケティングの場合は、データドリブンで業務PDCAを回していかないといけないので、データプールをすることによるスイッチングコストの高さなどを狙い、DBやデータ量などの課金軸がハマるのだと思います。
 法務、採用など比較的外注単価の高いものや情報価値の高いものなどはアクション数やタイムチャージが向いていると思います。

VIDEO BRAIN 料金設計

 私たちが提供しているAI動画編集クラウドVIDEO BRAINに関していうと、誰でも簡単に動画が作れることをサービステーマにしているので、複数部署、複数人数の方が利用することを想定し、Usersを意識した料金設計になっています。

終わりに

 SaaS事業を始めている中で、料金設計、プライス、プランに関する重要性を非常に感じており、慎重にかつ厳密に設計が必要な領域だと業務を行う中で理解できました。情報の内容的にもどこでも開示しているようなものではなく、ネット検索、口コミ、口頭、トライ&エラーで手探りで探さなければいけない領域なので皆さん苦労していると思いますので、是非SaaS業界の方は情報交換させてもらえると助かります^^

 個人的にはこのサービスが気になっていますw

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