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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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#ベンチャー

国税庁発表を踏まえたスタートアップ株式報酬の明るい未来

村上です。先ほど日経新聞からも報道が出ましたが、本日5/29に国税庁(と経済産業省)からスタートアップ関係者向けに信託SOの課税関係に関する説明がなされました。岸田政権下においてスタートアップ政策が注目を集めるようになったタイミングで、なぜブレーキをかけるようなことをするのか、既発行分にも訴求(※国税庁は訴求するというより元々給与課税として納税されているはずというスタンス)されるのか、とネガティブなイメージばかりに目がいってしまいそうですが、私のnoteでは「未来思考」で、未

崖っぷちスタートアップがターンアラウンドを遂げるまで 〜4年越しの資金調達の軌跡〜

本日2023年5月24日、私たちスカイディスクは約8億円の資金調達を発表させていただきました! 実に、前回ラウンドから4年、私が代表に就任してからは3年半となります。 スカイディスクは2013年10月創業。就任時は7期目に入ってすぐのタイミング。 バーンレートは急速に上がっており、手を打たなければ2020年8月にはキャッシュアウトしてしまう。 プロダクトは何もなく、実態としては、シリーズCどころか限りなくゼロに近いバリュエーションと言える。 まさにタイトル通り"崖っぷち"

カンリーの創業から約5年の道のり

はじめにこんにちは!カンリー共同創業者・Co-CEOの辰巳、秋山です。 この度、シリーズBラウンドにて約10億円の資金調達を実施いたしました。 (全ラウンドの累計で15億円の調達になります!) 今回のラウンドでご出資いただいた皆さま、そしてそれ以外にも様々な形でカンリーをご支援いただいてる皆さま、本当にありがとうございます。 まだまだこれからの会社ですし、このラウンドは一つの通過点に過ぎませんが、一つの節目としてまずは感謝の思いをお伝えしたいです。 ※シリーズBの調達記事

【資金調達の裏側】なぜ私たちは、wevnalへの投資を決めたのか

シリーズBラウンドのセカンドクローズとして、BX プラットフォーム「BOTCHAN(ボッチャン)」を運営する株式会社wevnalは総額20億円の資金調達を実施しました。 そこで今回は、JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社(以下 JIC VGI )、Archetype Ventures株式会社(以下 Archetype Ventures )、三菱UFJキャピタル株式会社(以下 三菱UFJキャピタル )、みずほキャピタル株式会社(以下 みずほキャピタル )、S

コロナ禍と資金調達環境が冷え込む時代を乗り越えて

電脳交通代表取締役社長の近藤です。昨日、シリーズCラウンド12億円の調達完了をプレスリリースにてご報告させて頂きました。 先ず、新たな株主の皆様、追加出資をいただきました既存株主の皆様、ご相談させていただいておりましたが契約に至らなかった皆様、改めまして、応援をいただきまして誠にありがとうございました。 斜陽産業かつコロナ禍で大ダメージを受けたタクシー業界、そしてIPOやその他Exitなどエクイティストーリーの実績が乏しい地方ベンチャーというラベルのついた我々が、創業時か

株式投資型クラウドファンディングをVCと併用。プレシリーズAで総額2億円を調達、LIFEHUB 中野代表にインタビュー【起業家のホンネ #04】

「人類の身体的な制約からの解放」というビジョンのもと、「しゃがむ、立ち上がる、エスカレーターに乗る」といった動作を実現する、次世代型車椅子の製造・販売を目指すLIFEHUB株式会社(以下、LIFEHUB)。同社は、2022年9月に株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」で資金調達を開始し、約4,600万円の調達に成功しました。 今回はLIFEHUB代表取締役CEOの中野裕士氏に、プレシリーズAのタイミングでの資金調達に株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型C

2022年振り返り:ツクルバが挑戦するスモールキャップ上場のリアルと、上場後再成長する中で感じた上場スタートアップへの誤解と課題

初めに背景・目的 これは何か 私は金融専門家でないのであくまでスタートアップ経営者の立場としてお話します。 2022年の振り返りと、誰も教えてくれなかったスタートアップ経営の上場前後の実体験を交え、本気で上場後の中長期成長をやり切ろうとしている上場スタートアップは面白いぞ、ということをお伝えするのが本稿の目的です。 (取材協力 グロース・キャピタル株式会社) 2022年 スタートアップ冬の時代へ 2022年は米国を契機に市況が急激に悪化した混乱の1年でした。上場企業の

リクルートで財務と投資部門を経験し、自分でも起業して売却まで経験したCFOがなぜNateeでGreatCompanyにコミットするのか

株式会社Nateeの小澤です。 Nateeではさらなる事業拡大のためにシリーズBで4.2億円の資金調達を実行し、本日発表致しました。 私がNateeにジョインしてから1年4ヶ月の間にも、主要事業であるTikTokの市場は急速に伸び、CFOとして関わりながら会社の急成長に対応してきました。 CFOという立場上、表に出てくることは少ないのですが、社内外にきちんとどんな人間がCFOを担っているのかをお伝えしたく、Nateeという会社の信念や哲学、そして目指すビジョンについて、

創業者のいなくなったスタートアップが、なぜ17.8億円を資金調達できたのか?

先日、うちの会社が総額17.8億円の資金調達を発表しました。 BLUEPRINTは、僕を含めた3人の創業メンバーで立ち上げた会社です。ですが、実は僕たちはすでに経営を退いていて、会社は新しい社長に任せています。 つまり、創業者が不在のスタートアップなのにも関わらず、大手のVCさんや事業会社さんが総額17.8億円ものお金を出してくれているんです。 ……これだけ聞くと「どういう状況?」となりますよね。笑 この記事では、その裏話となるBLUEPRINTのビジネスモデルや資金

シリーズA調達の出会いと別れの裏話

こんにちは。イベントマーケティングプラットフォームEventHubの代表山本です。(自己紹介がてら:こんな人です↓) 本日プレスリリースを出させていただきましたが、EventHubはシリーズAでJAFCOとユーザベースから6.5億円の資金調達を実施し、累計調達額は10億円を突破しました。 事業としての大きな節目でもあるため、シリーズAに至った裏話を話しつつ、たくさんの関係者様や社員にどう助けてもらって、本日に至ったのか、を是非お話させてください。 2年半ぶりの株式調達前

ひっそり裏話(調達期間中の感情と学び)

このnoteは、下記資金調達について書いたメインnoteとは別に、資金調達の裏側について、カジュアルに書いたものです。 さて、改めて上記noteや調達のプレスリリースをご覧頂いた方は、もしかしたら弊社は調達もしているし、順調そうに見えているのかもれないですが お恥ずかしながら、実際はこんな感じです。笑 ↓ 一見優雅そうに見えて、もう足はバタバタだったりします。 今回こちらのnoteでは、足バタバタ状態の僕自身の感情や弱みを、できるだけ隠さずに書ければなと思います。

未上場の際に導入する従業員持株会のメリットと留意点

以前にnoteでまとめさせて頂いたとおり、ベンチャー企業において、ストックオプションは広く活用されている制度だと思います。 もちろん、ストックオプションも論点が多く、難易度が相応に高い為、このようにIVSでセッションを行わせて頂いたりもしました。 ただ、その中でふと、未上場企業において、従業員持株会ってSOに比べてあまり活用されていないんじゃないかと気付きました(上場会社ではよく活用されています)。個人的には、未上場企業における従業員持株会は活用の余地があると考えており、

食べチョクに投資した地銀VCという存在

はじめまして。いよぎんキャピタルの徳永です。 弊社は、愛媛県松山市に本店のある伊予銀行のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)です。先日、食べチョクを運営するビビッドガーデン社のシリーズCに新規株主として参加させていただきました。今回、食べチョクさんのPR力に便乗して初めて投稿してみることにしました。 こちらの調達ですが、地銀系VC(を通じた地域金融機関)との連携強化という打出し方をしていただき、twitterなんかを見ても概ね好意的な評価が多かったように思います。戦略

上場まで毎年利用を公言、満額調達成功のGumroadが株式投資型クラウドファンディングに見る可能性ー持続可能な成長戦略

いつもイークラウドのnoteをご覧いただきありがとうございます。 今回は、株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型CF)プラットフォームを活用した海外事例から、アメリカのスタートアップGumroad社のケースについて調べました。 ※記事の中では、1米ドル=109円で換算しています。同社が株式型CFでの資金調達を完了した2021年4月時点のレートです。 株式型CFは、非上場のベンチャー企業がインターネットを通じ、複数の個人投資家から資金調達を行える仕組みです。 日