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火星ナツミ
2022年8月3日 17:13
パタン コトン カラン ピタン折り畳まれた肉塊から明るい汽笛が鳴り響く立ち昇る煙熱をおびた蒸気機関のたぎる血潮に目がくらむ虐げられた魂のテラテラ サワサワやましい視線に怯むことなく生きゆくことを満喫する彼の魂に祝福あれ
2022年7月29日 19:26
本日わたしのカラダはキャベツとにんじんでできています節約節制息子の成長が第一ですから昔はいわしとプチトマトさくらんぼだったときもありますその前は甘いミルクマリームだったような気もしますおさとうとマリーム、お湯でつくった飲み物が大好きでしたからこれからの私のカラダは再びいわしとトマトでつくられるようになると思います年を取るとカルシウムが
2022年7月27日 17:20
満たされたくて注ぎ込んだ空色のネイルは荒野には溶け入らず美しい湖を作っただけだった欲張りな太陽を足し引きして具合を探ってみるけれど黄ばんだ日差しが砂漠の陰影を濃くしただけだった試しに混ぜてみた空と太陽出来上がりはゴッホのマーブルそりゃそうだろうと鼻で笑ったあなたが憎らしくムキになって混ぜ続け出来上がったグリーン得意げに頬に塗りつけ
2022年7月22日 19:21
荒野を駆けてゆくというような格好の良いことではなく自惚れた大地を目に沁みる聖夜を可能な限り駆けていきます犬と戦う戦士としての乙女不可知の存在と会話する僧侶僧侶の斜めにずれたキャップと片足のみ泥に埋まった不恰好なお椅子はご愛嬌犬に結えられた首紐乙女の顔に寄る年輪もしゃぶりつくして噛み尽くして飲み干して永遠に私は駆けていきます青緑色の冷た
2022年7月11日 21:03
自分が影の住人だったと知った時嬉しくて泣いたのは本当でやりきれないと吐き散らしたと言ったら嘘になります朝日に照らされたカーブミラーや頭の大きな標識の影が現実以上に美しく見えるようになったのはいつからでしょうか道ゆく人々が影に見えてよけるべきものとそうでないものの区別がつかなくなってきたのはいつからだったのでしょうか初めの子が流れてから最初の子が産
2022年7月17日 17:52
いざりいざなう空気のない場所正気の沙汰じゃないとにげこむ草いきれロザリオにぎりしめ南無阿弥陀仏唱えるあの子のほつれ髪そっと撫でつけほおよせるホメオティック遺伝子が関与したあの子の体は切っても切っても同じものしか出てこない金太郎飴みたいなあの子を一切れ口に入れ味わうコロコロは笑い声か咀嚼音だったのか今はもう曖
2022年7月14日 18:00
もうしわけていどに夏はかなくこのうえなくカナブンの羽音せわしなく水辺で子らがあどけなく織姫と彦星の出会いかけがいなくかき氷のおもてなしおかまいなく冷えたみかんはもうしぶんなく浴衣のあの人しのびなく七日目のせみ陰日向になく
2022年7月9日 20:57
蝿山の中を泳ぐ感覚なんです揺り戻された記憶が反転し元型もなく組み替えられてゆきます瞬きの間だけの束の間のいのちで対処しきれるものではありませんインザフライレッツゴーダイブ裏切られたということは信じてたという言葉の裏返しでしょうか生涯にほんの数回だけ的を得られることがあるというのは本当なんでしょうかそのうちのひとつが今向こう側でモールス信号を上
2022年7月7日 18:38
光と音思い出の連射で何も聞こえず美しい閃きに網膜が痺れ“終わって“と“終わらないで”がループする夜空を食い尽くそうとする白煙をかき分け溢れでる光のカケラに心打たれて身動きできない火傷してでも触りたくなる火の粉は遠くからだからこそ美しい
2022年6月30日 18:34
涙が溢れそうな空憂鬱な一日の始まりが瞬く間に物語性を帯びてくる日常を非日常に変える一滴の容易なスパイスドラマティックな展開が言葉の糸に操られまやかしのダンスを踊る混沌から生まれたマリオネットはいつの間にか生みの親を離れ自由に羽ばたき去って行ったそのときから既に決まっていたのAIが人の心を持つことは
2022年6月24日 18:13
自分だと思っていたものが自分ではなくなっていた大きな耳は真っ青なモルフォ蝶の羽小さいけれど身の詰まったパイのような身体を重たそうに運んでいく彼の吐く漆黒の吐息に指が震え目が霞む目の前に立つ盲しいた枯れ木は誰そ彼身体を切り裂く大きながらんどうの一面に小蝿がはびこり奥底で気の早いコウモリが鎮魂歌を唄っている空白を埋める偽物のパテはもういらない祈りの姿勢に
2022年6月21日 18:32
いつも少しだけ血が滲むように恋してる永遠なんてものは端からなく虚栄心は平和の色した緑野生のプライドを捨ててまで手にした物に価値はあるのか恋したあの人に問いかけるあの人は困ったように目を逸らすそして私はいつも同じように間違える
2022年6月19日 20:09
水曜日は駆け抜ける何もないまま私を追い越していく一人きりで食べるカップラーメンは味気ないけれど今はそれが嬉しい少しだけ灯りを消してくれるから無神論者のとりとめない祈りを受け入れてくれるのは何者かわからないまま迎えの時間水に浸った海綿体のような身体を引きずり火打ち石はあるのに火消し石はなく些細なすれ違いが決裂や悲劇を生み正解がないから生活がある
2022年6月16日 20:58
自由意志を持つフィラメントに唆され彼と音信不通になったのはいつの日のことだろうか喪失感よりも安心感劣等感は消え虚栄心が幾ばくか増すより良き変化とは言えず煮凝りを食べた時のような不快感が日に日に募るあの日の約束なんてものはないけれどあの日の決意は何かしらあったのかもしれないもう同じかたちでは取り戻せない蜃気楼を彷徨いフリックする劣等感を逆手に取れるような