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【詩】空色ネイル

満たされたくて

注ぎ込んだ

空色のネイルは

荒野には溶け入らず

美しい湖を作っただけだった

欲張りな太陽を

足し引きして

具合を探ってみるけれど

黄ばんだ日差しが

砂漠の陰影を濃くしただけだった

試しに混ぜてみた空と太陽

出来上がりはゴッホのマーブル

そりゃそうだろうと

鼻で笑った

あなたが憎らしく

ムキになって混ぜ続け

出来上がったグリーン

得意げに頬に塗りつけてやった

エクソシストみたいだねと笑った

あの夏はもうこない

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