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【長編現代和風ファンタジー】神社の娘

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「俺も悪神倒しの仲間にいれてください!」 日本のどこにあるのか分からない不思議なとある村。 刺激のない平凡な日々を過ごしていた高校生の橘平は、雪の夜、森の近くで村の神社の跡取り…
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#長編小説

【小説】神社の娘(第37話 アニメも社会も裏を読め)

 ついに、プラモデルを、作る。    桜はニコニコ顔で午前中から寛平の家にやってきた。桜は…

坂東さしま
4週間前

【小説】神社の娘(第35話 妹)

 まもりの痕跡を探そう。  桜は家族に気取られないよう、こっそりと、春休み第1日目から家…

坂東さしま
1か月前

【小説】神社の娘(第33話 大人気ロボットアニメ鑑賞会-第一期)

『ありがとう』 「何が?」 『森の扉の絵、描き始めてくれて』 「ああ、うん」 『君のおかげだ…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第32話 なんで酒飲んでだよ、ゲロったくせに!)

 日曜日。  本日の出動は3回。  キツネ2匹、柴犬3匹、猪1匹。  強さは一般的なレベル…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第28話 休日出勤、振替はなし)

 八神家の蔵。残りの段ボール。出てきたのはケースに入ったプラモデルだった。  予想通りだ…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第26話 唐揚げからカツカレーに変更ーバケモノ対策課、秋田犬退…

 今日は朝から妖物だらけである。  感知器課長は続々と感知してしまう妖物センサーに辟易し…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第25話 母さんの弁当は完食するもんだ!)

 カーテンから漏れる光が目にあたる。ゆっくり瞼をあける。  夢を見た。起きてすぐ、それが頭に浮かんだ。 『君は入口の絵、描ける?』 「入口の絵?」 『村の真ん中にある森に入るための。扉みたいなもんかな』 「森の扉って何?どういうの? 『君の想像でいいんだ。森が開くような絵が描ければ』  頭の覚醒につれ、橘平は夢の内容をキレイさっぱり忘れてしまった。しかし、何かに導かれるように、無意識に、鉛筆を手にしていた。  いつかの夢である。  橘平は優真たち同じクラスの仲良し組とともに

【小説】神社の娘(第24話 プラモ、折り紙、それと)

 史料の内容はおおまかに二人に伝えた、と桜は葵に説明した。そのうえで、今後はどうしていく…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第23話 唐揚げ教室)

 日曜日は八神家で段ボール開封の儀、の予定であったが、古い本が出てきたことから予定変更。…

坂東さしま
1か月前
4

【小説】神社の娘(第22話 スパイデート-やっぱり自分の話じゃないか君)

●第3章 冷然な桜  剣術の稽古が行われるのは学校にある剣道場だった。  夕方の部活動の…

坂東さしま
1か月前
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【小説 神社の娘】これまでの登場人物紹介①(1~21話)

いつもお読みくださっている方、これから読んでみようと思ってくださっている方へ。ご参考まで…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第21話 友達と約束をするときのドキまぎ)

 夜の学校の柔道場に響く気合。  橘平は初めての躰道を体験していた。またまた初めてのこと…

坂東さしま
1か月前

【小説】神社の娘(第20話 友達の話って自分だろ、ウソつくなって)

 向日葵さんが迎えに来ると聞いていたのに。  平日の夕方、八神家にやって来たのは黒の乗用…

坂東さしま
1か月前
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【小説】神社の娘(第19話 読めるメガネたち)

 古い本。史料というのか、古文書というのか。  橘平は祖父から渡された物を前にして、腕を組んだ。  いの一番に報告したかった桜は、電話に出なかった。きっと用事があるのだろう。  橘平はとりあえず、本をぱらぱらと眺めたが、さっぱりだった。たまに読める字が現れるが、それ一つ分かったところで意味は分からない。  歴史の資料集に載っていた昔の手紙なんかは、こんな字だったよなあ。  と、授業がつまらなくてそっちばかり読んでいたことを思い出す。比較的新しそうな冊子の字は多少読め