NPO法人農音@中島 【視察レポート】
5月7日、8日は愛媛県松山市中島で活動されている、NPO法人農音へ視察に伺いました。
以前に加西市にお越しいただいた、笠岡市で地域づくりの活動をされている方にお声掛けいただき、参加させていただきました。
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NPO法人農音は、田舎暮らしの問題を自分たちが体験し、クリアする柔らかいスタンスで、無理のない好転を目指した団体です。(パンフレット参照)
田舎に移住したいと考える若者が増えている今、田舎側の受け入れ体制が整っていなかったり、住む家や仕事を探さなければならないこと、また地域の人との関係の築き方など、移住の課題は多くあります。
それらの課題を、1人目の移住者としてNPO法人農音を設立し、問題解決をしながら、次の移住者のサポートをされています。
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中島(なかじま)は、人口約6000人の島です。忽那諸島の中で一番大きい島嶼で、松山港の沖合い約10kmに位置しています。(Wikipedia調べ)
[フェリーは、松山市の三津浜港から中島の大浦港まで約1時間です。]
昔からみかんの栽培が盛んで、関西では中島のみかんは高級で、庶民の口には入らなかったそう。
現在も、離島の中の果樹生産ランキングでは1位を記録されています。
[島内は見渡す限りみかん畑です。]
島に到着してから、島内を車で案内していただきました。
窓を開けて走ると、みかんの花と潮の香りがしました。
[私たちが訪れた日は、特にいい香りがしていたそう。]
昔の島の言い伝えで、海で道に迷ったら、みかんの花の香りがする方に進めば中島に着く。と言われるほど、とっても良い香りでした。
[普段感じない、潮の香り。]
島の中でも、集落が分かれており、みかん農業に熱心で跡継ぎが多い地区や、漁業が中心の地区、また、現在は二世帯しか住まれていない地区もあるそうです。
[誰も住んでいない家だけが、廃墟となって存在しています。]
また、鳥獣被害も多く、昨年は猪を600匹も捕獲したそうです。
みかん畑を荒らされて困ることはもちろん、人が住む民家のすぐそばで罠にかかった猪が発見される度、そこに住む地域の方は怖い思いをされています。
その対策として、猪を捕獲する協会を地域の方と結成され、移住者も狩猟免許を取得し、少しでも被害を減らすための活動をされています。
また、ジビエの展開もできるように仕組みづくりを行われているそう。
[45°以上の急斜面に畑が作られています。]
こんな急な斜面で、日々農業をされていると思うと、気が遠くなりそうですが、昔の人は、この急斜面を整備し、苗を植え、育てられたのだと思うと、より一層気が遠くなるような作業だと思いました。
[夏になると海水浴場として利用できる砂浜があります。]
[周りには無人島があります。近くにはDASH島もあるそう。]
[島のスーパーは、18時半閉店です。]
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島をぐるっと案内していただいた後は、農音のメンバー方のご自宅に宿泊させていただきました。
元は歯医者をされていた建物に住まれています。
[カメレオンがお出迎えしてくれました。怖い!]
そして、今回の視察では、農業体験や漁業体験をしていないということで、普通の視察者は自炊をするそうですが、特別に夕食をごちそうになりました!
島で取れたブリや、茎わかめのサラダ、げその炒め物など、島ご飯でとても美味しくいただきました。
食事をしながら島の生活についてお話をお伺いし、熱い思いを語りつつ、1日目を終了しました。
[レントゲン室の前で食事をいただきました!]
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2日目はお昼のフェリーで帰ることもあり、宿泊させていただいた場所で、農音の代表の方に、活動について詳しくお話をお聞かせいただきました。
[目が覚めると波の音が聞こえました。]
NPO法人農音は、地域再生大賞の記念賞を受賞されるほど、活躍が目覚ましく、なんと3年で31人もの移住者がいるそう!
しかし素晴らしい活動の裏には、苦労も絶えないと話してくださいました。
大きな課題としては、地域の人との関係の築き方だと話されます。
今までは人口が減る一方だった島に、次々と若者が移住してきて、みかん農業がしたい!と言えば、喜んで受け入れてくれる人ばかりではないことは想像ができます。
また、移住者の全てが農音に所属しているわけではなく、目の行き届かない人もいます。
その人についてのクレームも、地域の人から農音とひとくくりに見られてしまい、農音のクレームとなって、誤解を生むこともあるのだとか。
しかし、農音の代表の方は、「一人目の移住者として、また団体の代表として、移住者のクレームを引き受けることはトップの務めだと思っている。」と寛大に受け入れられています。
その姿は、トップを勤める人間として素晴らしいなと感じます。
また、この島に移住してきたのには、理由があるそう。
昔から田舎暮らしに憧れがあったことと、以前に大切な人を自殺でなくしたことがキッカケになっていると話してくださいました。
都会で生きづらいと感じ、自ら命を断つぐらいなら、田舎でゆっくりと生きれるのではないか。
そんな思いが募り、移住に至ったそうです。
だからこそ、移住したいと思うのであれば、どんな人でも受け入れたいと考えられています。
しかし、地域の方との関係を築くことを含め、受け入れ体制が万全でないことが今の課題だと話してくださいました。
[家の前で記念撮影!手に持っているのは農音オリジナル手ぬぐいです!]
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その他にも、視察の仕組みづくりや、島での暮らし方など様々な話を、時間いっぱいお聞きし、港に向かいました。
[帰りのフェリーは、まじかな号!]
[見えなくなるまで手を振ってくださいました。]
[ありがとうございましたー!また来ます!]
NPO法人農音HP:http://noon-nakajima.com
Facebookページ:https://www.facebook.com/noon.nakajima
中島グーグルマップ:https://goo.gl/maps/Z5tzU
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今回の視察を通し、一番印象に残ったことは、都会で生きづらいと感じるのであれば、一緒に島で暮らそう、と話されていたことです。
しかし、私は、生きづらいと感じるのは、都会だけではなく、田舎でも同じなのではと考えています。
少なくとも私は、都会に住んでいませんが、生きづらいと感じることがありました。
だからこそ、自分が自分らしく居られる居場所が欲しい、そして、私と同じ思いを持った人が、居場所だと思える場所を作りたいと考えます。
自分の居場所はここにある、自分のことを受け入れてくれる人がいる、と感じることができれば、それはその地域に住み続ける理由になるのではないでしょうか。
NPO法人農音の皆さん、ありがとうございました!
また、夏になったら遊びに行かせてください!
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