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カバー株式会社(5253)2024/1Q 決算分析



はじめに

 当記事内で記載している内容は必ずご自身で正確性・信憑性をご精査ください。
 また、当記事の内容によりいかなる不利益を被ったとしても一切の責任を負いません。投資をする際は必ず自己責任でお願いします。

 本記事は筆者が決算発表前に事前予想した内容についても合わせて振り返ります。
 事前予想記事は以下のリンクより


2024年3月期 通期売上高見通し

マネックス銘柄スカウターより

会社予想    :26,562百万円(2024/3月期1Q 決算短信)
         前期比29.9%増加を予想
コンセンサス予想:27,500百万円


2024/1Q 分野(セグメント)別売上高実績

決算説明資料P5
  • 配信/コンテンツ     1,651百万円(筆者事前予想1,636百万円)

  • ライブ/イベント      376百万円(筆者事前予想 367百万円)

  • マーチャンダイジング   2,091百万円(筆者事前予想2,778百万円)

  • ライセンス/タイアップ  1,023百万円(筆者事前予想 976百万円)

  • 第一四半期売上高合計   5,142百万円(筆者事前予想 5,754百万円)

 通期売上高進捗率 19.4%(筆者事前予想 21.5%)


(参考)
過去3カ年の分野別売上高が開示されました。
IRに問い合わせてもご回答いただけなかった情報なのでありがたいです。(問い合わせたタイミングが悪かっただけかもしれません)

決算説明資料P31

2024/1Q 分野(セグメント)別売上高実績の考察・分析

決算説明資料P9

配信/コンテンツ

 配信/コンテンツ分野の構成は主にYoutubeメンバーシップ・Super Chat・動画広告収入、音楽ストリーミングサービス上での販売収益となっている。(2023/4Q決算短信より)

2024/1Q 売上高実績:1,651百万円(筆者事前予想 1,636百万円)

〇筆者の考察
 筆者の予想売上高と実績売上高の乖離は+15百万円。
 概ね事前予想と合致するため、算出方式はだいたい問題ないと判断。
 事前予想の詳細は以下の記事を参照

 決算分析記事は以下を参照

○配信/コンテンツ 2024/1Q 売上高内訳予想
・Super Chat  :約252百万円(手数料差し引き後)と推定
・メンバーシップ:約1,143百万円と推定
・動画広告収入他:約256百万円と推定

○配信/コンテンツ 2024/2Q 売上高予想
 配信/コンテンツの2024/2Q 売上高は1Qと同水準または微増と予想。


ライブ/イベント

 ライブ/イベント分野の構成はオフライン、オンラインでのチケット販売収益、イベントに際した物販収益及びイベントの様子を収録した映像ソフトウエアの販売収益等となっている。(2023/4Q決算短信より)

2024/1Q 売上高実績:376百万円(筆者事前予想 367百万円)

〇筆者の考察
 筆者の予想売上高と実績売上高の乖離は+9百万円。
 数字上はほぼ合致しているが、予想算出にあたり前提とした数字に大きな乖離が生じているため見直しが必要。
 イベント空白期のため一目物足りない数字となるのは想定内。2Qでの巻き返しが期待される。

 決算分析の詳細は以下の記事を参照


〇2024/1Qに開催された主なライブ/イベント事業
・2023/04/08~23(計6日間)沙花叉クロヱ in マクセル アクアパーク品川

沙花叉クロヱ in マクセル アクアパーク品川#沙花叉とびしょ濡れ水族館!


・2023/6/28発売 「猫又おかゆ」ソロライブ Blu-ray
 ※マーチャンダイジング分野に計上されている可能性あり

猫又おかゆ 1st Live. 『ぽいずにゃ〜しんどろーむ』

 
〇ライブ/イベント 2024/2Q 売上高予想
 ライブ/イベントの2024/2Q 売上高は1Qと比べ大幅増加と予想。
 7月4日に開催された「hololive English 1st」、8月26-27日に開催予定の「ホロライブ・サマー2023」を始めとした各ライブ・イベントの収益が期待される。
 また、3月18-19日に開催された「hololive SUPER EXPO 2023 & hololive 4th fes.」の受注販売商品売り上げが8月~9月に計上予定。(※マーチャンダイジング分野に計上される可能性あり)

決算説明資料P20


マーチャンダイジング

 マーチャンダイジング分野の構成はEC(Electronic Commerce:電子商取引)での商品販売収益となっている。(2023/4Q決算短信より)

2024/1Q 売上高実績:2,091百万円(筆者事前予想 2,778百万円)

〇筆者の考察
 筆者の予想売上高と実績売上高の乖離は-687百万円。
 マーチャンダイジングに分類される商品の定義が断定できておらず大幅な乖離が発生。
 強気の予想をした理由は①「hololive SUPER EXPO 2023 & hololive 4th fes.」の通常販売商品出荷(※ライブ/イベント分野に分類される可能性あり)および②新規グッズ「hololive friends with u」発売による売上増を予想したため。
 乖離が生じたものの、新規販売グッズの販売は好調。今後のEC事業のベースとなることを期待。

〇EC事業における新規グッズ「hololive friends with u」について
 ・2023年2月24日「hololive friends with u」第二弾発売(2023/4Q)
 ・2023年3月24日「hololive friends with u」第三弾発売(2023/4Q)
 ・2023年4月24日「hololive friends with u」第四弾発売(2024/1Q)
 ・2023年5月24日「hololive friends with u」第五弾発売(2024/1Q)
 ・2023年7月24日「hololive friends with u」第六弾発売(2024/2Q)

決算説明資料P15


○マーチャンダイジング 2024/2Q 売上高予想
 マーチャンダイジングの2024/2Q 売上高は1Qと比べ同水準または微増と予想。
 引き続き「hololive friends with u」の販売や「ホロライブ・サマー2023」に関連したECグッズの販売に期待される。
 また決算説明資料P9へ記載がある通り、アニバーサリー記念等グッズの売上高は3Qおよび4Qに多く計上されるため下期に期待。

決算説明資料P9

※「hololive SUPER EXPO 2023 & hololive 4th fes.」の受注販売商品売り上げはライブ/イベント分野に計上されると想定。


ライセンス/タイアップ

 ライセンス/タイアップ分野の構成はライセンスアウトの対価としてのロイヤリティ収益及び広告出稿企業やメディアからのプロモーション料・出演料収益となっている。(2023/4Q決算短信より)

2024/1Q 売上高実績:1,023百万円(筆者事前予想 976百万円)

〇筆者の考察
 筆者の予想売上高と実績売上高の乖離は47百万円。
 本分野が最もブラックボックスであるため予想が難しい。
 一般認知度の上昇や上場に伴うブランド力向上に伴い、今後も一定の売上高が見込めるのではないかと予想。

決算説明資料P16

○ライセンス/タイアップ 2024/2Q 売上高予想
 ライセンス/タイアップの2024/2Q 売上高は1Qと比べ同水準または微増と予想。
 一般的なYoutuberと比較し、ゲーム関連事業とのタイアップは親和性が高い(かもしれない)と思うので今後も継続した売上高を予想。
 またクリエイターが東京観光大使に就任するなど一般層への認知度向上も取り組んでおり、長期的に見てポジティブな材料ではないかと言える。

決算説明資料P28

まとめ

 通期売上高進捗率が25%に未達ということで市場からは厳しい評価を受けるかもしれないが、筆者としては安定した売上をしっかり計上してきたという印象。
 特に2Qは新規大型イベントを予定しており、順調に行けば2Q決算時点で通期売上高を50%以上達成することが出来るのではないかと考察している。
 
 1Q決算予想記事では特にマーチャンダイジングで乖離を生じさせてしまったため、引き続き資料を確認し予想精度を高めていきたい。
 1Q決算の各分野を深掘りし記事として投稿予定。
 2Q決算予想についても今後考察していきたい。


 筆者の銘柄・業界分析の考え方についてコラムに纏めました。
 よろしければこちらも合わせてご覧ください。


編集履歴

2023/8/15
・「2024/1Q 分野(セグメント)別売上高実績の考察・分析」のうち、「配信/コンテンツ」へ決算分析記事の追記
・「まとめ」のうち、コラム(番外編)の追記

2023/9/9
・「2024/1Q 分野(セグメント)別売上高実績の考察・分析」のうち、「ライブ/イベント」へ決算分析記事の追記

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