歴史入門・第4回「日本神話と世界①」

シニアです。よろしくお願いします。

本日は、第4回「日本神話と世界①」です。

前回は、日本のはじまりは「無文字時代(先史時代)」にまで遡るため、従来の歴史研究では日本の始まりを探ることは非常に困難であることを述べました。しかし、考古学など隣接学問の視座を取り入れることで新たに見えてくることもあります。それによると、日本の文明のはじまりはとても早いことがわかりました。

さて、今回は「日本神話」と世界の神話を比べることで、日本のことを知る足がかりにしたいと思います。そもそも「神話」とは何でしょうか。「デジタル大辞泉」によると、「宇宙・人間・動植物・文化などの起源・創造などを始めとする自然・社会現象を超自然的存在(神)や英雄などと関連させて説く説話」だそうです。

日本の神話は、『日本書紀』と『古事記』(この2つを総称して、記紀といいます)の2つの物語です。

『日本書紀』は、8世紀後半に東アジアの大国・唐王朝から文明国として認知を受けるために、自国の成り立ちを漢文で説明したものです。対して『古事記』は、自国の皇族・貴族のために日本各地で様々に語られてきた神話と説話を集めて記した物語です。

世界の誕生の様子や、国の成り立ちまでもが幅広いエピソードを交えながら、1つの体系的な物語として描かれている用例は非常に珍しいものです。また、日本神話の神は、スサノヲノミコトに代表されるように、善行と悪行を両立して行う、極めて人間的な姿で描写されがちです。これは、“神”には“善神”や“悪神”もいると言うことをよく表しています。

他にも、『古事記』の「天地初発之時、於高天原成神名、天之御中主神(天地初めて発りし時、高天原に成りませる神の名は、天之御中主神)」とあり、最初に、“天の神”を記しています。

「メソポタミア神話」では、「アヌ」という神が“天の神”でもあり、最高神でもあります。「ガーナ神話」の「オニャンコポン」は、「偉大な者の意」を持ち、“天の神”であり創造神でもありました。

このことから、当時の人々は、“天”をとても重要視していたことがよくわかります。日本の最高神も、皇室の祖先神である「アマテラスオオミカミ」であり、“天の神”です。

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