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仕事のパートナーに騙された私を、突き動かした息子の言葉

私には2男2女の4人の子供がいる。同じように育てていても、例えれば、それぞれが東西南北の別方向に歩いて行くような、それほど全く違う個性〜そしてまたそれが色濃い〜を持った子たちだ。育児とは育自。それぞれの子から、いろいろなことを教えられてきた。今日はそんな中の一つのエピソード。

彼の性格

やるとなったら徹底してやる。とても優しい。かなり控えめ。当時の次男はそんな性格。学業に部活に、そして3歳から続けてきたピアノが大好きで、あるコンクールで3位になり、ドイツの音楽学校へ2週間の短期留学にいけることになった。

当時の私

ある仕事先で出会った人と意気投合。彼女は帰国子女で、キッズに英語を教えいていた。私は、英語資格や学生以上の方に英語を教えていた。二人で、それぞれが”やりたい形”の英語講座をやろう、ということになった。フリーペーパーやチラシに連絡先を掲載する段で、”子供の連絡用にしか使ってない番号があるのでそちらを掲載していいよ”と彼女。問い合わせの電話にかかってきた内容は 彼女から連絡を受けた。

私はかなり純粋だ。親しい友人からは「純粋すぎる。人を疑うことをしなさすぎる」と言われるほど。でもだからと言って 誰かに裏切られて酷い目にあったことはなかったし、変えようと思ってもなかなかそこは変わらない。だから、それに気づくのに、普通の人に以上に時間がかかったのだ...

何かがおかしい

問い合わせがあったら、ちゃんと電話番号とメルアドを残してもらうようにしていた。しかし、彼女からの連絡を待ってから、先方に連絡を入れるのはやはりスムーズではないので、私の連絡先を載せることを提案したが、「いや、本当にうちの電話を使ってもらったらいいから。あんまり自分の電話を載せない方がいい。」と頑なに言われ、そのままを継続した。

すると いつも同じパターンで 不可思議なことが起こり、彼女の言動を疑わざるをえない状況になった。いや、まさかそんなことを?と思ったけれど、もうそれしか考えられない。証拠もつかんでしまった。勇気を出して、私の疑惑を彼女にぶつけて見た。

結果は...

どんぴしゃりだったのだろう。それに関して、というかそれ以降、彼女からの返信は途絶えた。

つまり、彼女に騙されていたのだ。

私は純粋だ。そしてそんなひどい騙され方をしたことがなかった。だからひどくひどく、それは奈落の底へ突き落とされたかのように落ち込んだ。悲しかったし、辛かったし、何よりその相手を”憎む”という感情を持つことが嫌だった。

集客を頑張ろうとしていたけれど、その気力もなくなるほどダメージを受けた。人から「TOEIC会場の近くで、チラシを配るといい」と言われ、チラシを作っていたが、もういいわ、と思うほど、一切の気力をなくしていた。

空港へ向かうバスの中で

いよいよ息子がドイツへ出発する日。毎日マックス全てのことに頑張っていた彼は非常に忙しく、その関空へ向かうバスの中で、久々にゆっくり話をした。騙されたことに気づいてから 少し時間が経っていた。

「最近仕事、どうなん?」

絶句した。でも少し時間が経っていたので、言葉に出して話せる状態にはなっていた。それを聞いた次男、当然激怒。

TOEICのチラシを作ったけれど、周りに今回受ける人がいな胃から、会場がはっきりわからないし、配るのもうやめようかな。だいたい会場は、察しがつくけど。非常勤講師で勤務しているスクールのうちの県の生徒さんが今回受けるから、スクール経由で聞いてもらえばわかるとは思うけど、そこまでして確認するのも....と私。

「なんでなん?持ってる人脈を使ったらええやん?なんなら、会場と思しきところに電話して確認して見たら?

そんな人に騙されっぱなしはあかんで。ここで凹んで、先に進むのをやめたら相手の思うつぼやろ。お母さん、それでええの?見返したり!

こんな時だからこそ余計にそうやで。いつも、お母さんは僕たちに、「やろうと思ったことはとにかくやってみる。やらずに後悔することが一番いけない。たとえうまくいかなくても、次にそれを役立てていけば、失敗はなく、学びがあるだけ」そう言うてるやん。

お母さんは「こんな時に、もうこれ以上前に進もうと言う気になれない」と言うけど、こんな時だからこそやらなあかんねん!人脈もお母さんが作ってきた財産、それを使うことをなんで躊躇するの?

ちゃんと、会場の確認をして、当日配りに行くんやで。それをやらないと、未来は変わっていかないし、このままでいいはずないよな?」

私は、彼の熱量の高い言葉に大きく揺さぶられた。いつも自分の信念としてやってきたことをリマインドされた。温厚な彼が、かなり語気を強めて私に強く語ってきたことにも驚いた。

心を決めた

「ドイツでいい経験できるよう、がんばってくるわ!お母さんも頑張るんやで!じゃ、行ってきます!」

知らない間に、こんなにしっかりと成長していたんだ、と息子の背中を 見送った。そして同時に、私も決めた。実は、チラシ配りはかなり勇気がいることだ。だからそれを渋っている自分もいた。だけど

”会場をなんらかの方法で確認して、当日、とにかく会場近くでチラシを配る。それをやり遂げる。それで、このことを全部吹っ切る。”

それをすることで吹っ切れると感じた。心を決めた後の行動は実に早かった。実行した。

その後

それまで、一人でやって行くことに不安を覚えていたのも事実。だけど、一人でやると決めた。覚悟が決まった。その後も、考えうる行動をとり続けた。

気がつくと、チラシの配布やポスティング、そして書き続けてきたブログからも問い合わせが入るようになった。語学学校、企業研修、大学のエクステンション、塾など複数で非常勤講師をしながら、自身のスクールもやっていたのが、もう自分のスクールだけにしよう、と決心できるまでになった。

後から思えば、あのひどい裏切りは、やはりそれはそれで意味があり、自分が覚悟を決めて一人でやって行くきっかけになったと思う。

だけど、あの裏切りを意味のあるものにしてくれたのは、次男のあの言葉であったことは間違いない。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

Have a nice weekend♬

#子どもに教えられたこと

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