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播磨陰陽師の独り言・第407話「ヴィレッジバンガード」〈後〉

尾畑雁多

 東京では、時々、中野駅の次の高円寺にホテルを取っていました。高円寺に夜11時までやっているヴィレッジ・ヴァンガードがあり、仕事の帰りに行くことが出来ました。このお店では小説やアメコミに日本語版をよく買いました。
 ちなみに高円寺のデニーズ前で亡霊に付きまとわれたこともあります。
 その日の朝、阿佐ヶ谷のホテルをチェックアウトして、
——高円寺のファミレスで朝食を取ろう。
 と思い、高円寺駅で降りました。その時、何だか奇妙な寒気を感じ、ふと、視線を移すと……あらぬ方向に歩いて行く不気味な老婆がいました。壁に向かって歩いていたのです。壁の先はファミレスですが、人なら外に出て大回りする必要があります。
 あまりに、ゆっくりと、どこかへ歩く老婆の姿は、普通の人の印象とは違っていました。
——ああ、朝から亡霊のような感じの……。
 と思っていると、老婆はゆっくりとこちらを見ました。
 その時、
「あっ、見てしまった……ついて来ないでね」
 と思い、ファミレスに入りました。
 すると、
「いらっしゃいませ……二名様ですね」
 と言われたので、
「えっ?」
 と、振り返って睨むと、後ろには、もう、誰もいません。
 向き直ると、店員さんが青ざめた表情で、こちらを見ていました。
 しかたないので、
「一名に、なりました」
 と告げると、ホッとしたように、店員さんの表情が戻りました。
 席に座ると、後々、面倒なことにならないように、心の中で、
「祓い給え、清め給え」
 と三回唱えて終わりました。亡霊が面倒な時はこれに限ります。
 話は戻りますが、大阪北区に住んでいた時は、梅田のヴィレッジ・ヴァンガードに行っていました。梅田のヴィレッジ・ヴァンガードは特に品揃えが個性的で好きでした。
 平野区に住んでいた頃は、地下鉄で買い物に行った先にヴィレッジ・ヴァンガードがありました。ここは小さなお店でしたが、時々行っては楽しんでいました。
 今は博多天神にもヴィレッジ・ヴァンガードはありますが、ここは少し遠いです。近くでは小倉こくら駅の付近にあるので、ここに行くことが多くなります。

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