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怖い話のウラ話・第6話「心霊って何のこと?」

 江戸時代には、神の霊と書いて〈神霊〉と読む言葉がありました。今に言うところの心霊とは微妙に意味が違っています。神の霊と書いていますので、まさしくそのままの意味で、神々の霊のことを意味していました。心の霊と書く心霊現象の〈心霊〉とは意味が違っていたのです。

 さて、心霊現象の〈心霊〉はオカルトの一種です。オカルトですので、科学では解明出来ない超自然的な現象のことを意味しています。つまり、心霊科学とは、科学で解明出来ない不可解な心霊現象を、科学をもって解明させようとする、とても不思議な研究なのです。科学で解明出来ないからこそ〈心霊現象〉と呼ぶのです。妙な感じですねぇ。
 それから、この超自然的な現象とか言う言葉、もちろん自然を超えた不思議な現象と言う意味で使われていますが、ちょっと妙な表現だと思いませんか?
 どの時代においても科学は進歩して行きます。昔は科学で解明されなかった物事の多くも今では解明されつつあります。今の科学で解明されていない現象も、未来のどこかできっと解明されることとなるでしょう。
 その時、その時ですよ、自然を超えると考えられる現象が、果たしてこの世界に存在しているのでしょうか?
 一概に、超自然などと軽々しく申しますが、自然現象のすべては分かっていません。多分、一般の方の目にする自然現象の方は、目まぐるしく変化する天候の驚異だったり、広がる深い深い森だったり、あるいは各々が普段から目にしている、近い場所の自然のことでしょう。しかし、少し考えて下さい。宇宙の隅々に至るまで、自然のなせる技でしか出来ていないのですよ。その不可思議な自然のなせる技のいったいどこに、超自然と言う言葉の入り込む余地があるというのでしょうか?
 この続きはまた次回。お楽しみに。

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