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播磨陰陽師の独り言・第三百十五話「辞書を引くべし」

 学生の頃は分厚い広辞苑を持っていました。重かったです。幸いなことに、大人になってから、あの重さから解放されました。と、言うのは……電子辞書の広辞苑が発売されたからです。
 最初の電子辞書はCDロムでした。8インチの小さい方のサイズがケースに入っていて、専用の読み取り装置が必要でした。パソコンではなくワープロで読み取っていました。
 それから、パソコンでも読めるような時代が来て、やがて携帯端末用が発売されました。
 最初の携帯端末用はPalmと言う端末用を買いました。何台かPalmを持っていたので、広辞苑専用にしたマシンもあります。
 そしてiPhone用のが出た時、iPhoneにもiPadにも入れていました。
 もちろん、専用の電子辞書端末も持っていました。
 文章を書く時は、必ず辞書を引きます。それも広辞苑が主になります。ネットの辞書は間違いが多いので、信用出来ないことがあります。特にウィキペディアなどは、ひどい時は半分くらいしか合っていません。
 時々、コメントで質問を書く人がいますが、辞書を引けば良いことは詳しく書かないことにしています。知りたい方は辞書を引いてください。
 たまに、失礼な方にも出会います。
 セミナーなどで話していると質問され、私はそれに答えて、
「これは辞書にも書いてあります」
 と言うと、最前列で辞書を引き大きな声で、
「あっ本当だ」
 とか叫ぶのです。
——最初から辞書を引けよ。
 と、そんな時には思う訳です。どのセミナーでも、
——辞書を引いてください。
 と言っていますし、そう言えば、もっと失礼な人がいました。
 セミナーの休憩時間に、大きな声で言うのです。
「前に聞いていたことと違うのですが?」
「はて、何についてですか?」
 と、よく尋ねてみると、他の人に聞いた話と違うと言うこと。そんなことは知りません。しかも、他の人に聞いた話は、ただの与太話のような曖昧なものでした。
 まぁ、話はそれましたが……辞書を引くのは文章を書く行為にとって必須だと思います。
 小説を勉強していた時のことです。校正の仕事を手伝っていると、中心となる人物が辞書を持っていません。
——自信があるのかな?
 とも、思いましたが、進んで行くと、そうではないことに愕然としました。校正とは称していますが、間違いばかりなのです。
 そんな時、
——なぜ、辞書を持ってこないのか?
 と、疑問に思いました。まぁ、そのことが彼のプライドを傷つけたのか、それから嫌がらせを受けましたが……別に気にしてはいません。路傍の石でしかなかったので……。

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