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奈良の12月といえば

こちらロンドンの12月はクリスマスムード一色だけれど、奈良の12月といえば、なんと言っても"春日若宮おん祭り"。春日大社の境内にある摂社 若宮神社の例祭で、平安末期に始まり、今年で886回目を迎える。

残念ながら、今年は新型コロナ感染拡大防止のために、関係者のみの参加で非公開にて行われたようだが、それでも、長い歴史を途絶えさせることなく若宮さまのためのお祭りが執り行われた。

ある土地において毎年繰り返される伝統行事があるということは、その土地を離れた者の気持ちを、その土地に引き戻してくれる作用がある。

2021年の12月、私はロンドンでおん祭りの様子を思い出し、奈良の景色を思い出し、友人たちの顔を思い出し、過ごした日々を思い出している。

きっと、同じように、たくさんの人が自分の故郷や住み慣れた土地のお祭りや行事を、その時期に思い出すことで、行事そのものだけでなく、その土地で過ごした日々に想いを馳せるのではないだろうか。規模の大小に関わらず、伝統行事があるというのはとても素敵なことだと思う。そういう場所に住みたい。そういう奈良に住めたことは、その後の人生を豊かにしてくれていると、実感している。