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食事・体重管理がもたらすもの



※タイトルを「女子選手の体重管理」→「食事・体重管理がもたらすもの」に訂正しました。




外では台風と雨の音がすごいです。
これが終わったらもう秋ですね、、早いです;;




今回は長距離選手の体重問題について、自身のエピソードとともにちょっとお話していこうと思います。




私もこのテーマに関しては中学時代からかなりナーバスに捉えていました。
というのも、中学時代(2013~)はまだ「体重を減らせば速く走れる」という考えが浸透していた時代でもあったからです。今も体重神話を語り継ぐ指導者がいるという前提で今は昔に比べて考え方は変わっていますが、昔はもちろん今の時代でも指導者や周りの人から体型について指摘された女子選手は多いのではないでしょうか。


体型の変化が訪れる時期は人それぞれですが、女性は特に身体の変化が顕著に起こりやすく、その脂肪が一気に付きやすくなる時期が中学から高校にかけてです。
これは意思に反して起こる身体の生理的なはたらきで、生きていくのにとても必要な変化です。
とともに、言われる言葉一つ一つを素直に受け止めてしまいやすい繊細な時期でもあります。
そのため、その時期に自分や指導者の誤った知識・食事管理で無理やり押さえつけて幼い細い身体のままで勝負させようとすると当然、女性としての成長が阻害されてしまい、月経不順・不妊・骨粗しょう症・貧血・摂食障害(拒食および過食)といった症状だったり、心理面では情緒不安定になるなど様々な弊害が徐々に、人によっては数年後に身体に起き始めます。なぜ今回こんな事を書いているかと言うと、私もその当事者として苦しんでいたからです。



体重を気にし始めたのは中学2年生の12月。
この頃は以前にも増して食欲が湧いており、一時的に4食生活をしている時期がありました。もちろん、スナック菓子含む嗜好品も食べていました。体重は160㎝46㎏と夏の全中の頃から3㎏ほど増えていましたがしっかり走れてはいたので特に食事を気にすることもなく楽しく食べていました。私は胃袋が大きい方なので、幼い頃から同年代の子たちよりも食事量は多かったと思います。



しかし、思春期といえば脂肪がつきやすい時期。初経も既にその年に迎えていたので、1月になると走っていて身体が重く感じるようになりました。
160㎝48㎏、体脂肪は家庭用で18%。
数値としては重くありませんが自分でも気にしていた頃、ある指導者の方に「あと3㎏落とした方がいい」と指摘されました。
その時教えられた体重を落とす方法は、夜を抜き、練習量を増やすこと。今思えば、成長期の身体を絞る方法としては不適切だったと思います。
しかし、知識が無かった当時の私はその指示通りにそれまで行っていなかった15km以上のジョグやロングインターバルなどの練習に加え、夜は小鉢に一杯分のおかずのみ食べることを始めました。もちろん体力は付き、体重も落ちて3月には4㎏の減量に成功。冬の間に1cm身長が伸び、数値で言えば161cm44㎏。体脂肪率は家庭用で13%になるまで落ちました。
練習量はその冬しか増やしていなかったのである程度のところで元の練習量に落ち着きましたが、体重や食事に関してはその頃から非常に執着し始めました。当時の食事内容や体重の動向は今でもはっきり覚えています。

まず、練習後の朝食には腹7分目くらいまで野菜を食べてからお魚、お肉などのたんぱく質を気持ち多めに。炭水化物は走った後のみ、極力控えめに(ご飯を小さいお茶碗に0.5杯程度)摂取していました。
お昼の給食は、中2までは出されたものをもりもり食べていましたが、体重が落ちた後からはとにかく食べる前に走っていないのに食べるのが嫌で、白いご飯は底が見えるくらいまで減らしてパンは半分か1/4程度。衣の付いた揚げ物や脂肪分が高いようなおかずは一切手を付けず、誰かにあげたり鍋に戻す。
牛乳も低脂肪ではない給食の無調整牛乳には一切手を付けず、飲んでも半分。その代わりに野菜や汁物、脂肪分が少ないだろうな~というおかずは余っているものをもらっていました。
もちろん、スナック菓子は絶対的NGです。
夜は炭水化物は抜き。大盛りの野菜とタンパク質中心に済ませ、次の日も朝からまた走り込みです。
こんな生活を続けていた影響で、朝でも夜でも炭水化物を食べれば一日中胃もたれや胸やけの感覚がするようになったこともありました。


練習も昼の栄養を発散するイメージで練習をしなければいけないという恐怖感や、1日でも自分の中の摂取の基準を上回る日があれば身体が疲れていて練習を休みたい日でも走っていました。
身体の疲れよりも体重が増える怖さの方が勝っていたからです。
走力アップという面から言えば毎日少しでも練習を続けることそのものに関しては良かったのかも知れません。
しかし、成長期真っ只中の身体に相当な負担を掛け続けていたため3年目の全中の頃にはここから更に2㎏体重が落ち、161㎝42㎏、体脂肪率は家庭用で12%まで落ち込みました。正確に測れば恐らく一桁だったと思います。手に入れたものは、走っていて飛ぶように軽い感覚。そして、一時的な記録も。
しかしその代償として、非常にデリケートな話にはなりますが中学3年の春から徐々に月経も3日、2日と少なくなり、秋前には完全に停止しました。
そこから高校2年の冬までずっと2年半以上は無月経の状態で、何度か薬を処方してもらいましたがそもそも慢性的に利用可能エネルギー不足の状態だったため、効果はありませんでした。

当時の未熟な自分は恥ずかしい話、「生理が来ないのはしっかり練習で追い込んでいる証拠だ」「自己管理という面では一流だ」と思っていました。とても浅はかだったと思います。


高1の県駅伝。162cmで42kg切るか切らないかくらいの時。
腕も脚も皮と骨っぽいです。



結局、適切な食事制限を行わずに減量し、食事や体重そのものに対しての正しい知識をしっかり教えられることが無かったため、高校生になってウエイトトレーニングを取り入れるようになっても体重は一向に増えませんでした。それどころか、痩せる一方。
体重を増やすとどのようなメリットがあるかは教えられず「体重が増える事はいい事なんだよ」と一度だけ言われた事がありましたが、それは短距離の話!長距離は細くなきゃ走れない!という気持ちがありました。
だから、ずーっと自分の身体を痛めつけたまま。そのせいで年々増していく貧血、身体の冷え、練習中の耐えられない眠さ。身体の声を無視したまま、練習量が足りないのだと思ってがむしゃらに練習量を増やしていました。当然、栄養が回っていないのでいくら練習したところで体力は付いてこないわけです。



しかし、高校2年の冬にある指導者の方に体重を増やすよう指導を受け、冬の間に3㎏増やしてからはそういった無月経、貧血などはめっきり無くなり、記録も向上していきました。食事に対するリミッターは少し違う方向に外れましたが…(これはまた追々お話ししますねっ)
ちなみに体重を増やせたのは、毎食炭水化物をしっかりと(200gくらいかな〜)食べていたからです。



幸い高校まで怪我は無かったものの、中学からの長期的な栄養不足が祟ったことも少し関係していたのか、高校卒業後の競技生活では故障からなかなか回復しない状態が続きました。
結局、体重と食事に執着し始めてからは試合前の食事調整もうまく行かなくなり、試合前の1番の不安は走りの調子がどうこうより「食事量をミスして体重が増えていないかどうか」でした。
食事量を誤差程度でもミスすれば身体が重く感じたり、走りのキレが悪くなったり。
食事以外の面でももちろん問題はあったと思いますが、変なところに執着していたせいで慢性的なガス欠になり、レース中、猛烈な空腹感に襲われるなど試合でうまく力が発揮できないこともありました。



今お話ししたように、こういった食事や体重管理で悩む選手は私の周りにも非常に多くいました。
練習をしているのにご飯をほとんど食べない、出されたご飯をあえて残す、揚げ物の衣を細部まで取る、執拗にカロリーを気にする、栄養成分表示を見る、オフの日でも体重が気になって食事を楽しめない、次の日の体重測定で体重が増えると不安、スタッフの目が気になる。など。
こうして過度に食事や体重に執着をすることで摂食障害を患い、引退していった選手も周りにいました。



目先の結果を求めるのであれば、幼い頃の私のように制限を強いるような食生活や思考でも一時的に結果は出ますし身体も軽くなり、走りやすくなります。
しかし、いずれ身体にガタが来ることは間違いありません。それどころか、人によってはまた怪我とは違った形に姿を変えて尾を引くことになります。

特に中高生で極度に食事制限をした選手は後々、怪我をはじめ、身体の不調や自分ではコントロールできないものに悩まされる傾向が強いように思います。
そうならない為にはもちろん練習をこなすことも大切ではありますが、まずは身体にしっかり栄養を行き渡らせることを優先すべきではないのでしょうか。
練習が無くとも筋肉の回復のため、心の栄養のためにしっかりと楽しく食事をとる。オフだから、練習量が少ないからと言って極度に食事を減らす必要性は全くありません。
私の中ではカロリーから見るのであれば、女子選手でも中高生であれば2500kcal以上、大学・実業団選手であれば3000kcal以上は確実に必要だと思っています。男子選手はそれ以上。


体重だって身長が伸びれば当たり前に増えますし、筋肉がつけばその分当たり前に増えます。一時的に食欲が湧いて体重が増えてしまってもあんまり気にしすぎないこと。極端な話、また練習して筋肉に変えてしまえば良いだけです。食べる事も走る事も好きなのにそんなに体重にばかり固執して大事なことを見失ってほしくないな~、なんて思ったりします。


もちろん、何かを犠牲にしなければ得られない結果だってあります。
でも、心の余裕が無ければ競技が楽しめない。
当時の自分に声を掛けるなら、食べていいよって言うと思います。

何かに怯えて自分に常にストレスを掛けて競技をするより、やっぱり競技そのものを楽しむことが一番です。





ここでプチ近況。
①念願のアパレルバイトを最近始めましたが、8時間ブーツで立ちっぱなしなので結構つらいです。陸上とは違った辛さがあります。夜帰るのも遅く、メイク落とさずお風呂入らず歯磨きもせず寝てしまう事がしばしば。こういう生活の乱れが心の乱れに繋がるので、何もない日は早く寝る事を心掛けようと思います。。
②ダイエット始めました。笑 筋肉が脂肪に変わりました。とりあえず朝走る事と水分をたくさん取る事、菓子パンとスナック菓子はなし!だけしばらく徹底しようと思います。おわり。

最近行ったカフェ。今は気にせず楽しんでいます;)
マスカットが乗ったチーズケーキ!美味しかったです♡





次回もお楽しみに~(/・ω・)/

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