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「流石にもうちょっと長く生きさせて」と願った日


晴天の霹靂

社会人6年目にして、会社の定期健康診断ではじめて検査に引っかかった。

「子宮頸がん検査:D判定 要精密検査・治療」

「がん…!?」
流石に血の気が失せた。

健康診断は毎年欠かさず受診している。
指定の健診コースに併せて、必ず婦人科のオプションも追加する。
いつも「無料で受けられるなら受けておくか」ぐらいの気持ちでなんとなく受けていた。
まさか、「なんとなく」に救われる日が来るとは思わなかった。

慌てすぎて「軽度病変疑い」という健診結果の詳細を読まないまま、バタバタと病院を調べて受診予約を取った。
(実際には、がんと認められるフェーズには至っていないためそこまで焦る必要はなかった…。)

「自分はがんなのかもしれない」と思い込み、「人生があと少しで終わるとしたら…」なんて考えた結果、自分の本音に気づかされた。

「1年後までは生きられない」と言われても、いまのままで後悔残らない?

アクシデントが起きた時、私がまず考えるのは起こりうるリスクだ。

例えば
「明日から緊急入院です」
「1年後までは持たないでしょう」
なんて言われても、後ろ髪引かれずにこのまま大人しく言うことを聞けるだろうか。

いやいや、無理っす。
まだまだやりたいこと、行きたい場所がたくさんあります。
仕事も勉強も、まだまだ納得がいくものじゃないと思っています。
だから無理っす!

と、心の中の私が叫んだ。
普段やりたいこと・行きたい場所なんて聞かれてもパッと浮かばないけれど…。

人生の終わりってこんなに急に訪れるものなのかな。
もし「痛みは伴うけれど治療を頑張れば、もう少し長く生きられる」と言われたら、どうするだろう。
バカ真面目に死生観と向き合った。

無理をしてまで長く生きよう、とは思わない。
その代わりに、いまこの瞬間を人生で一番楽しく生きていたい、と思った。

・体が動いている「いま」
・趣味に没頭する「いま」
・両親に会える「いま」
・友達とたわいのない会話をする「いま」
・イヤだーと言いながらも仕事や勉強に取り組む「いま」

当たりまえのように積み重ねてきた「いま」は、私にとって満足のいくものになっているのだろうか。

答えは「NO」だ。
いまの私にとっては。

じゃあ、胸を張って「YES」と答えられるようにこの瞬間からまた歩きはじめればいい。

具体的に良い方法が浮かばなかったとしても、とりあえずやってみる。

今年学んだ大切なことのひとつは「やったもの勝ち」。
これは私自身の課題のひとつでもある。

・何かアクションを起こす時、物事の全体像を把握しないと不安になる
・回り道はめんどくさい
・できるなら失敗したくない

言い訳オンパレードの私はアクションを起こすまでの腰が重い。
失敗恐怖症で、「やらなきゃ」と思いながら、ずるずると引き延ばしがちだ。

でも「いま」を積み重ねられなくなったら、挑戦するチャンスも、失敗をすることすらできなくなる。

…じゃあ、やろう。

どうしたら重い腰が上がるのかと試行錯誤し続けたことが、物事の捉え方を変えただけであっさり解決した。

これをきっかけに自身が通うオンラインキャリアスクール、SHElikesのもくもく会(制作課題に取り組むオンライン自習室)や特別講義イベントの予約をとった。

自分のあまりの単純さに、ちょこっと笑えた。
やればできるじゃん。笑

火事場の馬鹿力

精密検査を受け、いまは結果待ちの状態だ。
細胞のウイルスを調べ、陰性であれば経過観察、陽性であれば治療を受ける必要があるらしい。

早期発見で救われた。
極端な心配は取り越し苦労に終わってひと安心。

健康診断の大切さと、身体の変化を侮れない年齢に差し掛かったのだと痛感させられた。

そして、自分の本音を認識できたことが大きな収穫だった。

「無理をしてまで長く生きよう、とは思わない」なんて書いたけれど、まだ30歳手前。

最近になってようやく自分のやりたいことが見つかりはじめた。
その資金作りのためにアルバイトをスタートさせたばかり。
プライベートは仕事の二の次状態だけど、結婚や子育ては諦めたくない。

生きられるなら、流石にもうちょっと長く生きさせてほしい。

自分の人生に向き合ってきたつもりだった。
突然人生の終わりを強制的に意識したことで、これほど深く、真剣に「自分事」として捉えたのは初めてなのかもしれない。

追い込まれてからやっと本領発揮する、火事場の馬鹿力な性格は昔から変わらない。
本当はもっと計画性を持って行動できたほうがいいのだろうけど。笑

これから先、何か後回しにしたくなったら自分に聞いてみよう。

「それ、もし挑戦できなくなったとしても後悔しない?大丈夫?」

#人生 #健康 #早期発見 #子宮頸がん  





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